X(旧Twitter)で成果を出す運用とは?誤解されがちな最新アルゴリズムをわかりやすく解説

X(旧Twitter)で成果を出す運用とは?

こんにちは。ソーシャルセリング.com編集長の中元鈴香です!

企業のSNS運用支援をする中で、X(旧Twitter)の運用に関するご相談を数多くいただきます。その際、必ずといっていいほど耳にするのが「とにかく投稿数を増やせばリーチが伸びる」という誤解。

私も以前、クライアント様から「1日100回以上リプライすれば効果があると聞いた」と相談を受けたことがあります。

しかし、この認識は大きな誤解です。本記事では、X社のプロダクト責任者を務めるNikita Bier氏の指摘をもとに、Xにおけるアルゴリズムの本質について解説します。
 

1.X運用における最大の誤解。「大量投稿神話」の実態

特定のコミュニティ、とりわけCrypto Twitter界隈では、あるテクニックが広まっています。Nikita Bier氏は「アカウントを成長させるには1日に数百回返信する必要がある」という考え方に指摘をしました。

この噂の根底にあるのは「投稿量を増やせばアルゴリズムからの評価が高まり、露出が最大化される」という内容です。一見すると理にかなっているように思えますが、実際のアルゴリズムの仕組みを理解すると、この内容は根本的に誤っていることが分かります。

Nikita Bier氏のポスト
Nikita Bier氏が投稿後すぐ削除したポスト

「10月、CT(Crypto Twitter:仮想通貨界隈)で『アカウントを伸ばすには1日数百回リプライする必要がある』という新しい神話が広まった。
しかし、投稿するたびに、その日のリーチの一部を消費してしまう。(平均的なユーザーは1日に20〜30件しか投稿を見ないため、全フォロワーに全投稿を表示することはできない)。そのため、CT民は『gm(おはよう)』と数百回リプライすることに全リーチを浪費し、いざプロジェクトの発表のような『本物のコンテンツ』を投稿した時には、3人にしか表示されないという事態に陥る。CTはアルゴリズムによってではなく、自殺(Suicide)によって死んでいるのだ。」

 
実際、私が支援する企業のSNS担当者の中にも、この噂を信じて消耗している方が少なくありませんでした。1日に50〜100件のリプライを義務化し、内容の質を犠牲にしてまで投稿数を追い求める。その結果、担当者は疲弊し、肝心の重要投稿の企画に時間を割けなくなるという悪循環に陥っていました。

Xのアルゴリズムは、単純な投稿数を評価指標としていません。プラットフォームが目指すのは、ユーザーのタイムラインという限られたスペースに、最も価値のある情報を届けることです。

この点を理解せずに内容の薄い返信を大量に行う行為は、多大な時間と労力を消費しながら、期待した効果を得られない非効率な施策に終わります。その理由は、アルゴリズムが管理する「リーチ」という概念を知ることで明確になります。

2.アルゴリズムの核心。「デイリーリーチ」という有限のリソース

Xで効果的な運用を行うには、アルゴリズムが各投稿の「リーチ」をどう管理しているかの理解が不可欠です。プラットフォームは、すべての投稿をすべてのフォロワーに表示するわけではありません。

Bier氏の指摘によれば、各アカウントには1日あたりに利用できるリーチの総量、つまり「デイリーリーチ」とも呼べる上限が存在します。投稿するたびに、その日のリーチの一部が消費されていく仕組みです

この仕組みは、銀行口座の残高に似ています。毎日一定額が入金される口座があり、支払いのたびに残高が減少する。リーチも同様に、投稿のたびに「使用可能な露出枠」が減っていくのです。
 
アルゴリズムがこの仕組みを採用する背景には、明確な理由があります。

ユーザーの情報消費量には限界がある
Bier氏が指摘するように、平均的なユーザーは1日に20〜30件の投稿しか見ません。人が1日に消費できる情報量には物理的な限界があります。

タイムラインの多様性を保つ必要がある
もし特定ユーザーの全投稿を全フォロワーに表示すれば、タイムラインは少数の多投稿ユーザーによって占拠されます。これでは他のユーザーの投稿が埋もれ、プラットフォーム全体の価値が損なわれてしまいます。
 
つまり、アルゴリズムの目的はスパムを罰することではありません。プラットフォーム上の全ユーザーにとっての「情報発見価値」を最大化するため、希少なアテンション(注目)を効率的に配分することにあります。

3.リーチの浪費が招く悲劇的な結末

リーチが有限のリソースである以上、その無計画な消費は単なる非効率ではなく、戦略的な自滅行為に等しいといえます。

例えば「おはようございます!」のような挨拶や、内容の薄い返信を1日に数百回行うケースを考えてみましょう。これらの投稿は一つひとつが貴重なデイリーリーチを少しずつ消費していきます。結果として、その日のリーチの大半が価値の低いコミュニケーションによって使い果たされてしまうのです。
 
XでのPRに失敗した具体例

私が実際に目にした事例では、ある企業アカウントが朝の挨拶リプライを50件、業界関係者への軽い返信を30件ほど行った後、重要な新製品発表を投稿しました。しかし、そのインプレッション数は通常の10分の1以下。フォロワー数1万人のアカウントにもかかわらず、リーチは300程度に留まっていました。

このリーチの浪費がもたらす影響を、Bier氏は具体例で示しています。

無意味な返信でリーチを使い切ったアカウントが、満を持して「プロジェクト発表」のような重要な投稿を行ったとします。しかし、その投稿はもはやフォロワーに届きません。Bier氏の指摘では、重要な投稿がわずか3人にしか表示されないという壊滅的な結果に終わる可能性が示されています。

この「3人」という数字は、単なる比喩ではありません。実際にリーチを使い果たしたアカウントでは、数千、数万のフォロワーがいても、投稿が一桁台の表示数に留まることがあります。これは、その日のリーチ枠が完全に消費されてしまった結果です。
 
この状況に対し、Bier氏は厳しい言葉で結論づけました。

“CT is dying from suicide, not from the algorithm.”
(CTはアルゴリズムによってではなく、自滅しているのだ)
 
問題はアルゴリズムの欠陥ではなく、ユーザー自身の誤解にあります。この指摘から得られる教訓は明確です。すべての投稿には消費が伴い、その消費を意識した戦略こそが成功への鍵となります。

4.X運用における正しい成長戦略。量から質への転換

ここまでの分析から、持続的なアカウント成長には以下の視点が不可欠です。

デイリーリーチの有限性を前提とする
毎日の投稿は、限りある「リーチ」という予算を消費する行為です。一つひとつの投稿が、その予算を使うに値するかを慎重に判断する必要があります。

投稿の質を最優先にする
数百の無意味な返信よりも、一つの価値ある投稿の方がはるかに重要です。各投稿がフォロワーにとって有益な情報、深い洞察、あるいはエンターテイメントを提供できるよう、その質に注力すべきです。私自身、この考え方を取り入れてからクライアント様のX運用方針を大きく見直しました。
 
投稿前のチェックリスト

  • この投稿はフォロワーに具体的な価値を提供できるか
  • 貴重なリーチを使うに値する内容か
  • より質の高い投稿に統合できないか
     

重要な告知やキャンペーン情報は、リーチに余裕がある状態で投稿します。挨拶程度の投稿でリーチを消費した直後に重要投稿を行うことは避けるべきです。

具体的には、朝一番の投稿は慎重に選び、無意味な挨拶リプライは控える。重要な発表がある日は、他の投稿を最小限に抑える。こうした運用に切り替えた結果、クライアント様のアカウントでは重要投稿のリーチが平均2.5倍に向上しました。

では、具体的にどのような投稿が「質が高い」といえるのでしょうか。私が実務で重視している3つのポイントを紹介します。
 
専門知識に基づく独自の洞察
自社の専門領域における深い分析や、他では得られない視点を提供する投稿は、高いエンゲージメントを生みます。

②具体的なデータや事例
抽象的な主張ではなく、数字や実例に基づく情報は信頼性が高く、シェアされやすい傾向にあります。

③フォロワーの課題解決につながる内容
読んだ人が「すぐに実践できる」「業務に活かせる」と感じる実用的な情報は、保存やブックマークの対象になります。

5.まとめ:Xのアルゴリズムの本質を理解した運用へ

Xのアルゴリズムは、単純に投稿量を評価するシステムではありません。ユーザーの限られたアテンションという希少なリソースを最適に配分し、プラットフォーム全体の体験価値を最大化するよう設計されています。

真のアカウント成長は、アルゴリズムの抜け道を探す「ハック」から生まれません。その基本原則を深く理解し、ユーザーに真の価値を提供しようと努めることから生まれます。

BtoB企業のSNS運用においても、この原則は変わりません。むしろビジネスパーソンは情報の取捨選択に厳しいため、質の高い投稿への集中がより重要になります。

「量」ではなく「質」へ。この視点の転換が、持続可能なアカウント成長の第一歩です。
 


 
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