【2025年版】営業リスト作成ツール完全ガイド|効率的な新規開拓を実現する10の主要ツールを徹底比較

【2025年版】営業リスト作成ツール完全ガイド|効率的な新規開拓を実現する10の主要ツールを徹底比較

「営業活動の成否は、リストの質で8割決まる」

これは、私が5年以上にわたりBtoB企業のコンテンツ設計に携わってきた中で、多くの営業責任者から聞いた言葉です。

2025年の今、日本のB2B市場は大きな転換期を迎えています。限られた営業リソースで成果を最大化することは、もはや「できれば良い」ではなく「必須」となりました。特に中小企業においては、効率的な営業活動が企業の生死を分ける重要な要素となっています。

従来の営業手法では、テレアポリストを購入したり、展示会で集めた名刺をExcelで管理したりすることが一般的でした。しかし、このような手法では以下のような課題に直面します。

  • データの鮮度が低い(古い連絡先で無駄なアプローチが発生)
  • ターゲティングが不十分(成約可能性の低い企業にも同じ労力を割く)
  • 営業活動の属人化(担当者が変わると情報が引き継がれない)
     

これらの課題を解決するのが、最新の営業リスト作成ツールです。単なる企業名簿の提供から、AIを活用した「セールスインテリジェンス」へと進化を遂げた現代のツールは、営業活動全体の生産性を劇的に向上させる可能性を秘めています。

本記事では、2025年時点で日本国内で広く利用されている主要な営業リスト作成ツール10個を、実際の導入事例とともに詳しく解説します。

営業リスト作成ツールの進化:データベースからインテリジェンスへ

従来型から次世代型への移行

かつての営業リスト作成ツールは、単に企業情報を検索・ダウンロードするだけのものでした。しかし、2025年現在の先進的なツールは、以下のような機能を備えています。

1. インテントデータの活用

  • ウェブサイトの閲覧履歴から購買意欲を推測
  • プレスリリースや求人情報から成長企業を特定
  • 展示会出展歴などから投資意欲を分析
     

2. AI による予測分析

  • 既存顧客データから類似企業を自動推薦
  • 成約確率の高い企業をスコアリング
  • 最適なアプローチタイミングを提案
     

3. 営業プロセスの自動化

  • リスト作成から初回アプローチまでを自動化
  • メール配信とフォローアップの最適化
  • CRM/SFAとのシームレスな連携

主要10ツールの特徴と選び方

1. Musubu(Baseconnect):バランス重視の万能型

こんな企業におすすめ

  • 営業組織の規模:10〜50名
  • 初めて本格的な営業リストツールを導入する企業
  • 使いやすさとデータ品質のバランスを重視
     

主な特徴

  • 140万件以上の企業データを収録
  • 30種類以上の詳細な検索条件
  • メール配信機能を統合
  • 月額45,000円〜(12ヶ月契約)
     

導入事例 111,755社以上が導入しており、特に中小企業での採用が多い。シンプルなUIで新入社員でもすぐに使いこなせる点が評価されています。

2. BIZMAPS(アイドマ・ホールディングス):独自タグで精密ターゲティング

こんな企業におすすめ

  • まずは無料で試したい
  • ニッチな条件でターゲティングしたい
  • 展示会出展企業などを狙い撃ちしたい
     

主な特徴

  • 170万社以上の国内最大級データベース
  • 5,000項目以上の独自タグ(展示会出展歴、製品導入実績など)
  • 月100件まで無料で利用可能
  • 3,200名のリサーチャーによる定期更新
     

活用のポイント 「○○展示会に出展した製造業」「××システムを導入済みの企業」など、他では難しい条件でのリスト作成が可能。30,000社以上が導入済み。

3. SalesNow:AIによる洞察を備えたデータ界の巨人

こんな企業におすすめ

  • 営業組織の規模:50名以上
  • データドリブンな営業戦略を推進したい
  • 予算に余裕がある大企業
     

主な特徴

  • 540万社以上の圧倒的なデータ量
  • AIによる売上予測・成長性分析
  • インテントシグナルの通知機能
  • 個別見積もり(高価格帯)
     

導入企業の声 パナソニック、JCBなど大手企業700社以上が導入。特に「SalesNowスコア」による見込み客の優先順位付けが営業効率を大幅に改善。

4. Urizo(セールスサポート):圧倒的コストパフォーマンス

こんな企業におすすめ

  • とにかく大量のリストが必要
  • FAXDMやテレアポが主な営業手法
  • Windows環境で利用可能
     

主な特徴

  • 560万件の電話番号データ
  • 1件1円以下の低コスト
  • リアルタイムでWebから情報収集
  • 月額9,900円〜44,000円
     

注意点 Windows専用アプリケーションのため、Mac環境では利用不可。70,000ダウンロード以上の実績。

5. APOLLO SALES(Onion):完全自動化を実現

こんな企業におすすめ

  • 少人数で大量のアプローチを行いたい
  • 問い合わせフォーム営業を効率化したい
  • 手作業を極限まで削減したい
     

主な特徴

  • リスト作成からアプローチまで完全自動化
  • 問い合わせフォームへの自動入力・送信
  • 150万件以上の企業データ
  • 月額20,000円台〜(年契約)
     

導入効果 ベルフェイスなどが導入。特にスタートアップ企業で、限られた人員で大量のリード獲得に成功。

6. Sansan:名刺を起点とした営業DX

こんな企業におすすめ

  • 既に多くの名刺資産を持っている
  • 社内の人脈を最大限活用したい
  • 営業DX全体を推進したい
     

主な特徴

  • 名刺管理シェア82.4%(11年連続No.1)
  • 100万社の企業データベース+20万件の役職者情報
  • CRM/MAとのシームレス連携
  • 従量課金制(ユーザー数・名刺枚数による)
     

成功事例 10,000社以上が導入。経済産業省やメガバンクなど、人脈活用が重要な組織で特に効果を発揮。

7. uSonar(ユーソナー):エンタープライズ向け統合基盤

こんな企業におすすめ

  • 大量の顧客データを保有している
  • データの名寄せ・クレンジングに課題がある
  • ABM(アカウントベースドマーケティング)を実践したい
     

主な特徴

  • 820万拠点の国内最大級データベース
  • 高度な名寄せ・データクレンジング機能
  • CRM/SFAとの深い統合
  • カスタムプラン(個別見積もり)
     

ROI事例 ニトリでは年間1,300時間の工数削減を実現。アサヒグループなど大手企業での導入実績多数。

8. スピーダ 顧客企業分析(ユーザベース):戦略的分析の専門家

こんな企業におすすめ

  • 詳細な企業・業界分析が必要
  • M&A情報や財務データを重視
  • 大企業・コンサルティングファーム
     

主な特徴

  • 150万社以上の企業データ+海外1,000万社以上
  • 570種類の独自業界分類
  • 290種類のシナリオデータ(働き方改革、海外進出など)
  • 個別見積もり(高価格帯)
     

導入企業 NEC、アサヒビール、富士通、Adobe、日立建機など大手企業が多数導入。提案資料作成時間が半減、受注率1.5倍などの成果報告。

9. Sales Marker:インテントデータの革新者

こんな企業におすすめ

  • 今まさに購買意欲が高い企業を狙いたい
  • インサイドセールスを強化したい
  • IT・SaaS企業
     

主な特徴

  • 520万社データ+インテントデータ
  • Web上の行動履歴から関心企業を特定
  • 部署データ160万件、人物データ570万件
  • 月額34万円〜(初期費用20〜40万円)
     

効果実績 エン・ジャパン、パーソルキャリア、SmartHR、DMM.comなどが導入。アポイント獲得率2倍、商談化時間の大幅短縮を実現。

10. infobox(インフォボックス):営業プロセス一元化の実現

こんな企業におすすめ

  • 営業プロセス全体を効率化したい
  • 部署直通番号でアプローチしたい
  • 商談内容を組織的に管理したい
     

主な特徴

  • 70万社データ+部署200万件、人物150万件
  • 商談自動録音・文字起こし機能
  • アカウント無制限(月額25万円〜)
  • 200種類以上の独自タグ
     

導入効果 TeamSpirit、GMO NIKKOなどが導入。インサイドセールスの効率が格段に向上、属人的営業からの脱却を実現。

主要10ツール比較表

ツール名月額料金(目安)データ量主な強みこんな企業に最適
Musubu45,000円〜140万件以上バランスの良さ、使いやすさ中小企業、初導入企業
BIZMAPS無料〜170万社以上独自タグ、無料プランスタートアップ、ニッチ市場
SalesNow個別見積540万社以上AI分析、データ量大企業、データドリブン志向
Urizo9,900円〜560万件圧倒的低コストテレアポ・FAXDM中心
APOLLO SALES20,000円〜150万件以上完全自動化少人数チーム
Sansan従量課金100万社以上名刺管理、人脈活用名刺資産豊富な企業
uSonar個別見積820万拠点データ統合、ABMエンタープライズ
スピーダ個別見積150万社以上詳細分析、M&A情報大企業、コンサル
Sales Marker34万円〜520万社以上インテントデータIT・SaaS企業
infobox25万円〜70万社プロセス一元化営業DX推進企業

営業リスト作成ツール選定の5つのポイント

1. 自社の営業スタイルとの適合性

アウトバウンド中心の場合

  • データ量とコストパフォーマンスを重視
  • Urizo、FUMAなどの大量取得型ツールが有効
     

インバウンドとの組み合わせの場合

  • インテントデータや企業の動向情報を重視
  • Sales Marker、SalesNow、BIZMAPSなどの情報付加型ツールが有効

2. 予算とROIのバランス

月額予算別の選択肢

  • 〜2万円:FUMA(スポット利用)、Urizo(ベーシックプラン)
  • 2〜5万円:Musubu、BIZMAPS、APOLLO SALES
  • 25万円〜:Sales Marker、SalesNow、スピーダ、uSonar、infobox

3. 必要なデータの種類と品質

基本情報のみで十分な場合

  • FUMA、Urizoなどのシンプルなツール
     

詳細な属性情報が必要な場合

  • Musubu、BIZMAPS、SalesNowなどの高機能ツール
     

インテントデータが必要な場合

  • Sales Marker、SalesNow

4. 既存システムとの連携性

CRM/SFAを活用している場合

  • Sansan、uSonar、スピーダ、infoboxなど連携機能充実のツール
     

スタンドアロンで利用する場合

  • Musubu、BIZMAPS、FUMAなど独立型ツール

5. サポート体制と導入支援

社内にITに詳しい人材がいない場合

  • 導入支援が充実したMusubu、Sansan、スピーダなど
     

自社で設定・運用できる場合

  • FUMA、BIZMAPSなどセルフサービス型

実践的な活用シナリオ

シナリオ1:スタートアップの新規開拓

課題:限られた予算と人員で効率的に見込み客を開拓したい

解決策

  1. BIZMAPSの無料プランでターゲット企業をリサーチ
  2. APOLLO SALESで自動アプローチを実施
  3. 反応があった企業にMusubuでより詳細な情報を取得して提案

シナリオ2:中堅企業の営業改革

課題:属人的な営業から組織的な営業へ転換したい

解決策

  1. Sansanで既存の名刺資産をデジタル化
  2. infoboxで営業プロセス全体を一元管理
  3. 商談録音機能で成功事例を組織知化

シナリオ3:大企業のABM実践

課題:膨大な顧客データを活用して戦略的アプローチを行いたい

解決策

  1. uSonarで既存データを統合・クレンジング
  2. スピーダの分析機能で業界動向を把握
  3. Sales Markerのインテントデータで最適タイミングでアプローチ

インテントデータ活用の実践例

Sales Markerを活用した成功事例

課題:従来の営業リストでは、どの企業が今まさに自社サービスを必要としているか分からない

解決策

  1. 自社サービスに関連するキーワードをSales Markerに設定
  2. そのキーワードを検索している企業をリアルタイムで特定
  3. 部署直通番号でキーパーソンに直接アプローチ

成果:アポイント獲得率が2倍に向上、無駄な架電が大幅に削減

まとめ:最適なツール選びが営業組織を変革する

営業リスト作成ツールは、もはや単なる「リストを作るツール」ではありません。営業組織全体の生産性を向上させ、データドリブンな意思決定を支援する重要な基盤となっています。

2025年現在、各ツールは独自の強みを持ち、異なるニーズに対応しています。

  • コスト重視なら:Urizo、FUMA
  • バランス重視なら:Musubu、BIZMAPS
  • 高機能重視なら:SalesNow、スピーダ
  • 最新技術重視なら:Sales Marker、APOLLO SALES
  • 統合性重視なら:uSonar、Sansan、infobox
     

重要なのは、自社の営業スタイル、予算、目指す姿を明確にした上で、最適なツールを選定することです。

まずは無料プランやトライアルを活用して、実際に操作感やデータの質を確認することをお勧めします。多くの企業が、適切なツールの導入により、営業効率を30%以上改善したという報告もあります。

特に注目すべきは、Sales Markerに代表されるインテントデータの活用です。「どの企業が今まさに購買意欲を持っているか」を把握できることで、営業活動の質が劇的に向上します。

営業リスト作成ツールの導入は、単なるツールの選定ではなく、営業組織の変革への第一歩です。本記事が、あなたの組織にとって最適なツール選びの一助となれば幸いです。

 


筆者紹介中元鈴香

BtoB領域に特化したライター。5年以上にわたり、SaaS、IT、人材、コンサル業界のコンテンツ設計とライティングに従事。上場企業のオウンドメディア立ち上げや、中小企業のSEO内製化支援も多数経験。

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