法人営業のアポ率を高める電話・メールテクニック
現代の法人営業において、見込み顧客と初めて接点を持ち、そこから商談化へと導くまでのプロセスは、思った以上に長く複雑になるケースが少なくありません。製品やサービスの優位性をいくら訴求しても、それだけでは「一緒に仕事をしたい」「詳しい提案内容を知りたい」と思ってもらえるとは限らないからです。最終的に「この企業となら安心して取引できそうだ」「課題解決の可能性が高い」と判断されるためには、地道なコミュニケーションが欠かせないのが実情です。
こうした中、BtoBの営業やマーケティングで依然として欠かせない役割を担っているのが電話とメールです。オンライン広告やSNSが当たり前になった今でも、意外なほど成約の“決め手”を後押しするのは、人間同士の直接的なやり取りに依拠する場合が多いのです。特に電話はリアルタイムで相手の声色やテンションを掴みやすく、メールは相手が好きな時間に確認でき、情報を整理して伝えられる利点があります。
本記事では、法人営業のアポイント獲得率を飛躍的に向上させるための「電話・メールテクニック」を幅広く紹介します。「一度電話をかけたりメールを送ったりしてみたけれど、反応がほとんど得られず困っている」「テレアポ効率をどうやって高めればいいのかわからない」「オンライン商談が増えた今、電話やメールをどんな場面で活用すべき?」といった悩みを持つ方にとってヒントになるよう、できるだけ具体的なノウハウをまとめました。毎日の営業活動に役立つ一助になれば幸いです。
目次
- はじめに:なぜ法人営業で電話とメールが重要なのか
- 電話アプローチの基本:効率と質を高めるコツ
- 2-1. 事前準備の徹底
- 2-2. 担当者に繋がる時間帯の見極め
- 2-3. トークスクリプトの設計と柔軟な運用
- 2-4. 受付突破・キーマンへの到達方法
- 2-5. 断られた後に次のチャンスを作る
- メールアプローチの基本:読む価値を感じさせる書き方
- 3-1. 開封率を左右する「件名」の工夫
- 3-2. 本文で伝えるべき要素:相手軸・簡潔さ・具体性
- 3-3. 宛先ごとにパーソナライズを意識する
- 3-4. 明確なCTAが返信率を高める
- 3-5. フォローアップメールの頻度と内容
- 電話とメールの組み合わせ:シナリオ構築でアポ率を上げる
- 4-1. タイミングを“作る”考え方
- 4-2. メールステップ→テレアポの流れ
- 4-3. ツール活用とシナリオの改善ポイント
- アポイント後に商談・受注へ導くための要点
- 5-1. 見込み顧客の温度感を見極める
- 5-2. アポ取得後のフォローアップで差をつける
- 5-3. インサイドセールス体制の有効性
- よくある質問(Q&A)
- まとめ:電話・メールで成果を伸ばすために
1. はじめに:なぜ法人営業で電話とメールが重要なのか
デジタルシフトの時代でも衰えない直接コミュニケーションの力
法人営業では、マーケティングオートメーション(MA)やオンライン広告、SNSによるブランディングなど、多様なチャネルで顧客へのアプローチを行うことが一般的になりました。顧客との最初の接点は、ウェビナーや展示会、オウンドメディアなどで獲得できる時代です。しかし、これらの施策だけで商談や契約まで一気に進むケースは少数派と言えます。最終的な「やりとり」の部分は、やはり“人と人”の接触が不可欠なのです。
- 電話
相手の「声」から感情や興味度合いが直接的に伝わってきます。また、電話口で担当者が複数の疑問をその場で投げかけてくれることがあるため、相手の潜在的な悩みや課題を深堀りしやすいという利点があります。
- メール
送る側も受け取る側も、タイミングを選べるのがメリットです。さらに、メール内容は記録として残るため、社内での共有や後日振り返る際にも便利です。複数の担当者が関与するBtoB取引では、メールによる情報共有が重要視される場合が多いでしょう。
見込み顧客とのファーストコンタクトを効率化する
法人営業の大まかな流れは以下のステップで進行します。
- リード獲得
- 展示会やウェビナー、オウンドメディア、広告などで初回接点を得る
- アポイント獲得
- 電話・メールなどを利用して、面談やオンライン商談の日程を調整する
- ニーズの明確化
- 相手企業の現状や課題をヒアリングし、提供価値をすり合わせる
- 提案・見積
- 実際のソリューション案を提示し、料金や導入効果を検討してもらう
- 検討・社内調整
- 競合他社との比較や社内稟議を経て、取引可否が判断される
電話・メールは特に2番目の「アポイント獲得」において重要な役割を果たすと同時に、ステップ全体のコミュニケーションを円滑にする要です。最適なタイミングで効果的なメッセージを発信することで、商談化や成約率に大きく影響を与えるのが実態です。
2. 電話アプローチの基本:効率と質を高めるコツ
2-1. 事前準備の徹底
テレアポは「量が勝負」と見られがちですが、ただ数をこなすだけでは非効率な結果に終わる可能性があります。事前準備が疎かだと、相手企業のニーズや課題が見えていないまま連絡を取り、初回の受付で断られるというパターンも少なくありません。そこで重要になるのが、以下のポイントを整理したうえで電話をかけることです。
- 相手企業の基礎情報
ウェブサイト、プレスリリース、SNSやニュース記事などを通して、企業の現状や方針、業界トレンドを簡単に把握する。
- 話す相手の部署・役職を想定
経営者・役員層なのか、現場責任者なのか、担当レベルなのかで興味・関心のポイントが変わる。
- 今回の電話の目的
具体的なゴール(例:オンライン商談の日程調整、資料送付許可の獲得など)を明確に設定しておく。
しっかりと下調べを行うことで、“量”よりも“質”を重視した電話対応が可能になります。また相手からの質問にもスムーズに答えられるため、信頼感を損なうリスクが減ります。
2-2. 担当者に繋がる時間帯の見極め
電話アプローチのコツとして、まずは“担当者がオフィスにいて、話を聞いてもらいやすい時間帯”を見極めることが挙げられます。一般的には以下の時間帯が狙い目とされています。
- 午前中(10時〜11時頃)
朝のミーティングやルーティンワークが落ち着いたころ。比較的余裕を持っている担当者が多い。
- 午後中盤(14時〜16時頃)
昼食や昼会議の後、いったん区切りがついているタイミング。
- 夕方(17時前後)
帰社前や終業前にデスクワークをまとめている担当者が多い場合もある。
逆に、月曜の朝一や金曜の夕方、月末・月初などの忙しい時間帯は避けられがちです。また、1回かけて繋がらなかったからといって簡単に諦めず、曜日や時間帯を変えて複数回トライすることで繋がる可能性が高まるでしょう。
2-3. トークスクリプトの設計と柔軟な運用
テレアポにおいて、あらかじめ会話の筋書きを作っておく「トークスクリプト」は、一定の成功率を保つために効果的です。ただし、スクリプトを一字一句暗唱してしまうと会話がぎこちなくなり、相手にも営業臭さが伝わりやすいデメリットがあります。そこでおすすめなのは、以下のポイントを押さえた“ガイドライン”程度のスクリプトです。
- 冒頭の挨拶と自己紹介
- 「お忙しいところ恐れ入ります。○○の件でご連絡いたしました」など、相手の状況を配慮する一言を添える。
- 相手の課題を推測した問いかけ
- 「○○業界では△△へのニーズが急拡大していると伺っておりますが、御社はいかがですか?」など、関心を引く切り口を用意する。
- 提案内容の概要とメリット
- 「当社では、××というサービスを活用してコスト削減や新規事業の拡大を支援しております」など、相手にとってのメリットを端的に示す。
- 次の行動につなげる誘導
- 「もしよろしければ、オンラインミーティングで詳しくご説明させていただければと思うのですが…」など、商談化へのフックを置く。
会話の中では、相手の反応を見ながら柔軟に内容を変更したり、質問を深堀りしたりすることが求められます。相手のトーンが上向きなら積極的に日程提案を行い、逆に難色を示している場合は「また別の機会に…」と上手に切り上げて印象を良く保つといった臨機応変さが大切です。
2-4. 受付突破・キーマンへの到達方法
法人営業でありがちな「受付の壁」をどのようにクリアするかは、テレアポ成功率に直結します。受付スタッフや秘書は、担当者へつなぐ前にある程度のフィルタリングを行うケースが多いからです。対処法としては以下が考えられます。
- 具体的な部署名・要件を伝える
「○○部の方に、△△に関する情報提供の件でお繋ぎいただきたく…」と明確に伝えると、受付も対応しやすくなる。
- 企業メリットを感じさせる
「今、多くの企業がコストカットや新規顧客開拓に活用している事例をぜひご紹介したいのですが…」と、相手にとってプラスの話題だと示す。
- 別ルートの活用
受付で門前払いされがちな場合、SNS(LinkedInなど)やイベントで担当者と直接繋がり、アポイントを取る手段も検討する。
- しつこいアプローチは避ける
無理に受付突破を試みて強引な印象を与えると、企業全体からの印象を損ねる可能性があるため注意が必要。
2-5. 断られた後に次のチャンスを作る
テレアポでは、たとえ優れたサービスや製品を持っていたとしても、タイミングが合わなかったり予算が付いていなかったりと、断られるケースは必ず発生します。そこで、断り文句を言われた後こそ、将来につながるフォローを考えることが重要です。
- 相手の状況を尊重して一度引く
「またご検討のタイミングがありましたら、ぜひお声がけください」と丁寧に締めくくる。
- 再アプローチの時期を示唆
「〇カ月後に新しい事例がまとまる見込みなのですが、その際改めてご連絡してもよろしいでしょうか?」など、次のきっかけをつくる。
- 情報を蓄積しておく
どのような理由で断られたのか、担当者名や役職などを残し、別の提案内容で再チャレンジできる下準備をしておく。
3. メールアプローチの基本:読む価値を感じさせる書き方
3-1. 開封率を左右する「件名」の工夫
メール営業の最初のハードルは、なんといっても「開封してもらうこと」です。せっかく役立つ情報をまとめたとしても、件名が魅力的でなければ本文に目を通してもらえません。そこで以下の点に着目しましょう。
- 相手のメリットを明確に
例:「【成功事例集】製造業の人件費を20%カットしたノウハウご紹介」
- 数字や実績を含める
例:「売上UPに成功した最新マーケティング施策を無料配布中」
- 煽り過ぎない
「今すぐ返信しないと大損!」のような極端な表現は不信感を招く場合がある。あくまでも相手の役に立つ情報というニュアンスを心がける。
3-2. 本文で伝えるべき要素:相手軸・簡潔さ・具体性
件名に興味を持ってもらい、本文を開いてもらえたとしても、ダラダラと長く自社の歴史や概要を並べるだけでは最後まで読まれない可能性が高まります。メール本文では、以下の3点を重視して構成すると効果的です。
- 相手軸
- 「〇〇業界において□□が課題となっていると伺っておりますが…」のように相手を主語にしたアプローチを心がける。
- 簡潔さ
- 本文は3〜4段落程度にまとめ、要点を箇条書きで示すなど、読みやすさを意識する。
- 具体性
- 「導入企業の実例」「数値データ」「費用対効果」などを盛り込むことで、信頼性を高める。
3-3. 宛先ごとにパーソナライズを意識する
法人営業でありがちなのが、リストに基づいて一斉にメールを送信するスタイル。しかし、これでは相手が「自分には関係ない話だ」と判断してスルーされる確率が高まります。可能であれば、宛先企業・担当者の名前や業種、部署などを文面に組み込み、パーソナライズすることで開封率や返信率を上げられます。
- 部署ごとの課題感に合わせる
経営企画・経理・人事・営業など、関心事が異なるため、アピールする内容も変える。
- 機械的な挨拶文を避ける
一般的なテンプレートではなく、少しでも企業や担当者の背景に触れた表現を入れると好印象につながりやすい。
3-4. 明確なCTAが返信率を高める
メール本文の最後には、相手が具体的にどう行動すれば良いかを明記しましょう。CTA(Call to Action)が曖昧だと、相手は次のステップに進むイメージを持ちにくくなります。
- オンラインミーティングの依頼
「ご都合の合うお日にちがございましたら、ぜひオンラインでお話を伺えますと幸いです」
- 資料請求の誘導
「詳細な事例や導入ステップをまとめたPDFをお送りしますので、ご希望の場合は返信にてお知らせください」
- 問い合わせフォームへの誘導
「さらに詳しい情報をご希望の方は、以下のフォームよりお問い合わせいただけます」
3-5. フォローアップメールの頻度と内容
一度メールを送っただけで反応がないからといって、すぐに諦めるのはもったいない場合があります。見込み顧客は、単に忙しくて返信できていないだけ、社内調整に時間がかかっているだけ、ということも珍しくありません。
- フォローの間隔
初回送信から1〜2週間程度経っても返信がなければ、軽いトーンでフォローメールを送ってみる。
- フォローの内容
「前回ご案内した〇〇に関して、追加のご質問などはございませんか?」など、相手に配慮した言葉を選ぶ。あらためて事例や資料を添付するのも良い。
- 連絡しやすさの工夫
返信が手間にならないよう、問い合わせ方法やスケジュール調整ツールのリンクなどを再度案内する。
4. 電話とメールの組み合わせ:シナリオ構築でアポ率を上げる
4-1. タイミングを“作る”考え方
法人営業では、こちらが連絡を取りやすいタイミングと、相手企業が話を聞く余裕を持っているタイミングが必ずしも一致しません。そこで重要なのが、“自然な流れでコンタクトできるきっかけ”を作るという発想です。例えば、以下のようなシナリオがあります。
- 有益な情報提供のメール
- 業界レポートや導入事例など、「受け取って損はない」と思ってもらえる内容を先に送る。
- 資料内容に関する質問の電話
- 「先日お送りしたレポートはいかがでしたか?」と感想を聞くと、スムーズに会話が始まる。
- 興味度合いに応じた次のアクション
- 好感触ならアポイントを提案、反応が薄い場合は再度別の資料を送り、タイミングを図る。
4-2. メールステップ→テレアポの流れ
BtoBの営業プロセスでは、「いきなり電話でアポイントを取ろうとするのはハードルが高い」という場合も多々あります。そこで、先にメールで簡単な挨拶や情報提供を行い、その後電話でフォローするという順番を検討してみましょう。
- メールで担当者に概要を伝える
- 「本日ご連絡したいのは、〇〇業界で話題の△△に関するご紹介です。詳しくは添付資料をご確認ください」
- 数日後に電話を入れる
- 「先日メールをお送りした〇〇の件でお電話しました。ご興味やご不明な点はございましたか?」
- 反応に合わせて提案を進める
- 興味を示してくれたら具体的な商談日程を提案し、現時点で不要という場合はフォロー時期を調整する。
4-3. ツール活用とシナリオの改善ポイント
複数の見込み顧客に対してメールと電話を組み合わせると、どの企業にいつ電話したのか、いつメールを送ったのかなどを管理するのが複雑になる可能性があります。そのため、顧客管理ツール(CRM)やメール配信ツール、タスク管理システムなどの活用が有効です。また、運用するうちにアポ率や商談化率をモニタリングし、シナリオを随時改善しましょう。
- シナリオの効果測定
どのメールが高い開封率・クリック率を得たか、どのタイミングでアポ率が高まるかを分析する。
- ABテスト
件名やメール本文の一部を変えた複数パターンでテストし、成果の違いを比較する。
- トーク内容のアップデート
電話でよく聞かれる質問や断られる理由を整理し、トークスクリプトやメール文面に反映させる。
5. アポイント後に商談・受注へ導くための要点
5-1. 見込み顧客の温度感を見極める
電話やメールでアポイントを取得できた後は、一気に商談へと進めたくなるかもしれません。しかし、相手企業が今すぐ導入を検討している「ホットリード」なのか、それとも情報収集段階の「コールドリード」なのかを見極めることが大切です。
- ヒアリングの際の質問例
- 「現在どのような課題解決を検討されていらっしゃいますか?」
- 「導入時期やご予算はある程度お決まりでしょうか?」
- 温度感の把握によるアプローチの違い
- ホットリード:迅速に具体的な提案資料や見積を提示し、競合対策にも力を入れる。
- コールドリード:まずは具体的事例や業界動向の情報提供を行い、タイミングが来るまで関係を維持する。
5-2. アポ取得後のフォローアップで差をつける
アポイントを確保した後、商談まで期間が空く場合もあります。そんなときこそ、フォローアップの質が商談成功率を左右します。
- 事前資料の送付
オンライン会議ツールや事前準備資料のリンクなどを整理し、相手がスムーズにミーティングに参加できるように配慮する。
- 議題の確認
「当日は〇〇について詳しくお話できればと考えておりますが、他にも気になる点がございましたらお知らせください」と連絡し、相手の要望や疑問を先に聞く。
- リマインド連絡
面談当日の前日や数時間前に「本日はよろしくお願いいたします」と軽いリマインドを行い、キャンセルや時間変更を防ぐ。
5-3. インサイドセールス体制の有効性
近年、法人営業の分業体制として「インサイドセールス」を導入する企業が増えています。インサイドセールスとは、電話やメール、オンライン会議などを活用して顧客と非対面でコミュニケーションを取り、商談化を促す組織や手法のことです。
- インサイドセールスのメリット
- 担当者一人あたりの商談獲得数を最大化しやすい
- 地理的制約を受けにくい
- 見込み顧客の情報を一元管理しやすい
- フィールドセールスとの連携
- インサイドセールスで育成した見込み顧客を、訪問営業や対面商談担当に引き継ぐ
- 見込み顧客の温度感に応じて、最適なタイミングでフィールドセールスが動く
電話・メールテクニックは、インサイドセールスとも親和性が高く、受注率の向上に大きく貢献します。
6. よくある質問(Q&A)
Q1. テレアポでスクリプトを読むと、不自然になりがちですがどうすればよいですか?
A. スクリプトは文字通り暗記するのではなく、あくまで骨格として活用するとよいでしょう。台本の要点を把握しつつ、会話の流れに合わせて言い回しを多少変える柔軟性を持つことが大切です。
Q2. メールでいきなりPDFの添付資料を送るのは失礼になりませんか?
A. 件名や本文で「ご興味があればご確認ください」と明示し、押し付けにならない工夫をすれば問題ありません。むしろ、有益な情報が含まれる資料であれば興味を持ってもらえる可能性が高まります。
Q3. 断られたら、もう二度とアプローチしないほうがいいですか?
A. 一時的に需要がないだけで、将来的にタイミングが変われば話が進むケースもあります。理由や状況をしっかり把握しておき、時期を置いて別の角度から連絡するのも有効です。
Q4. フォローアップの頻度はどれくらいが適切でしょうか?
A. 業界や商材によって異なりますが、最低でも1〜2週間に1回程度のペースを目安に検討するのが一般的です。相手の負担にならないよう、送信内容を工夫することが大切です。
Q5. 担当者が決まっていないと言われた場合はどう対処すればいいですか?
A. 具体的に関連しそうな部署や上長を推測し、それとなく確認をお願いしてみるのも一案です。受付や総務が全く情報を持たない場合でも、一度メールで概要を送らせてもらい、該当部署へ転送してもらえるよう依頼する手もあります。
7. まとめ:電話・メールで成果を伸ばすために
法人営業では、オンラインやデジタルの施策が目覚ましく進化している一方で、「電話やメール」というシンプルな手法がいまだにアポイント獲得の大きな支えになっています。見込み顧客にとってのハードルを少しずつ下げながら、タイミングが来たときに“最初に思い出してもらえる存在”になることが、最終的には商談や受注、長期的なリピートに結びつく鍵と言えるでしょう。
- 電話のポイント
- 事前準備で相手企業の基礎情報や課題を把握する
- 担当者が出やすい時間帯を考慮する
- スクリプトは“台本”ではなく“ガイドライン”として使う
- 受付突破には具体的な要件提示やメリット提示が重要
- 断られた後も未来への布石を打つ
- メールのポイント
- 件名で開封意欲を引き出す(数字・業界キーワード・メリット)
- 本文は相手軸・簡潔さ・具体性を重視してまとめる
- パーソナライズで「自分ごと化」を促す
- 明確なCTAを用意して、次のアクションに繋げる
- フォローアップメールでタイミングを捉える
- 電話×メールの組み合わせ
- 先にメールで情報提供し、後から電話で反応を聞く
- 定期的にシナリオやトーク内容を検証し、ブラッシュアップする
- 顧客管理ツールで一元管理し、最適なタイミングを逃さない
法人営業の現場では、これらのテクニックを試行錯誤しながら実践し、成功事例や改善点を積み重ねていくことで、アポ獲得率や商談化率を高めることが可能になります。デジタル時代とはいえ、人間同士のコミュニケーションの力が営業活動を大きく左右しているのは間違いありません。「電話とメール」を効果的に組み合わせ、担当者の信頼を獲得していくことで、確度の高い商談と受注へ着実に歩みを進めましょう。
以上が、法人営業における電話・メールテクニックのまとめです。最初の接触からアポイント獲得、そして商談化へ至るまでには多くのステップが存在しますが、どの段階でも電話やメールが大きな役割を担います。それぞれのチャネルの特性を理解し、最適なシナリオを構築することで、成果をより一層高めることができるはずです。営業担当者としては、ぜひ積極的に実践・改善を繰り返し、安定した成果を生み出す仕組みを築いていきましょう。
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