ソーシャルセリング実践に役立つ情報を提供します。

ソーシャルセリング実践例 くろますお🇺🇸さん

くろますおさんとは?

 

――今回はNFTやAI、Web3.0など、主に海外テクノロジー関連の発信をされているくろますおさんにお話を伺いたいと思います。くろますおさんはシアトル在住とのことで、zoomを繋いでの取材になります。

 

くろますおさん:よろしくお願いします。すみません夜遅くに。※日本時間の21時半に取材

 

――とんでもないです。ちなみにシアトルはいま何時なんですか?

 

くろますおさん:こちらは朝5時です(笑)。

 

――それはこちらこそ朝早くからすみません(笑)。よろしくお願いします!

 

くろますおさん:よろしくお願いします。

 

 

――ちなみにどうしてアメリカにいらっしゃるんでしょう。匿名アカウントということもありますし、話せる範囲でいいので教えてもらえると。

 

くろますおさん:そうですね。ごくごく簡単に言うと、日本で就職した会社から「お前、アメリカに行ってこい!」って言われたからですね(笑)。それが10年くらい前かな。

 

――へえ! ということは、いわゆる駐在員さんとして行かれたと。

 

くろますおさん:そうですそうです。日本企業のアメリカ支社への出向、という形ですね。当時は英語も全然喋れなかったんで大変でした。まあ、アメリカ人の同僚たちと仕事する中で自然と覚えましたけど。

 

――なるほど。ということは現在もその会社に所属しながら活動を?

 

くろますおさん:いえ、こっちで別の会社に転職しまして。

 

――あ、ということはもしかして、その転職先がNFTやAI関連の会社なんですか?

 

くろますおさん:ああ、いえいえ、そうじゃないんです。普段ツイートしたりVoicyで話したりしてるその手の話題って、まったく仕事絡みじゃないんです。あくまで僕個人の興味関心というか。

 

――へえ! そうだったんですね。個人の興味というと、昔からそういうものが好きだったんですか?

 

くろますおさん:いや、子どもの頃はむしろ超アナログでしたね(笑)。家の中でゲームっていうより、外で走り回ってるような。

 

――小さな頃からテクノロジー少年だったのかと思いきや(笑)。

 

くろますおさん:全然でした。小さな頃どころか、大学時代までテック系には疎かったですから。

そういえば大学生当時、同級生の一人が発売されたばかりのiPhone3を買ってきたんです。それを見て「そんなの流行らねえよ」なんて笑ってましたもん。ボロボロのガラケーを手に(笑)。

 

――なるほど、わかりやすいエピソードです(笑)。でも、どこかのタイミングでそれが変わっていくわけですよね。何かきっかけがあったんですか?

 

くろますおさん:そうですね。話すとちょっと長くなるんですけど……。アメリカで働き始めて、英語も覚えて、いろいろな人と会って。縁あって家族もできて、その流れでアメリカの永住権を取ったんです。

 

 

――ふむふむ。つまり人生の拠点をアメリにすることを決めたと。

 

くろますおさん:そういうことです。でもこっちって、日本とは労働環境が全然違うんですよ。日本だと、なんだかんだ未だに終身雇用的なものが残ってますよね。そもそも労働基準法が強くて、従業員のクビを簡単に切れない。

 

――確かにそうですよね。変な話、入社さえしちゃえば後は何とかなるというか。

 

くろますおさん:そうそう。ある日いきなり解雇されて収入がなくなる、なんてことはない。一方、アメリカはまったく違って、バンバン解雇できるわけです。

 

――そうですよね、「Amazonが◯◯人レイオフ」なんてニュースが日本でも流れてます。

 

くろますおさん:ええ、あれがほんと日常なんです。僕自身も、さっきまで隣で働いてた奴が急に上司の部屋に呼ばれて、「お前もう出ていけ」なんて言われて追い出される、みたいなシーンを何度も見てますし。

 

――ええ!? そんなに急なんですね。

 

くろますおさん:ええ。だから駐在員をやめてこっちの企業に転職するってなったときに、やっぱりちょっと不安なわけですよ。いつクビになるかわからないから、別の収入源を確保しとかないといけないなと。

で、あれこれ副業的なものを調べ始めて……とりあえずPCとスマホだけで始められるアフィリエイトを始めました。

 

――なるほど。いわゆる「成果報酬型広告」ですよね。ブログなどに商品紹介記事を書いて、そこから売れたらいくら、というような。

 

くろますおさん:ええ。それでその当時に一番ホットだった……つまり一番アフィリエイトの効果が出そうだったのが、仮想通貨の取引所に関するもので。

 

――ああ、少しずつ近づいてきましたね。

 

くろますおさん:それでブログ記事を書くために、仮想通貨について調べ始めるわけです。もちろん当初はアフィリエイト目的、つまりお金目的だったんですけど、勉強しているうちに「あれ? なんかブロックチェーンって面白いぞ」と。

 

くろますおさんが当時書かれていたブログ

 

――純粋な興味が出始めた。

 

くろますおさん:そうそう。仮想通貨のベースになっているブロックチェーン技術自体が、ものすごく面白いってことに気づいたんです。名前も性別も言語も違う人たちが、ブロックチェーンという新たな技術によって繋がっていく。そういう新しい世界観にワクワクしたんですよね。

 

――くろますおさんの琴線に触れたのはどういう部分だったんでしょう。

 

くろますおさん:国境も法律も含めたあらゆることを飛び越えちゃうところですかね。本来通貨発行権って国の重要な権利なんですけど、仮想通貨なら中央銀行もなしで通貨が発行できちゃう。つまり「中央集権なんていらねえぜ」っていう、ある種すごくパンキッシュな考え方なんですよ。

 

――なるほど、言われてみれば確かにそうですよね。

 

くろますおさん:僕自身、アメリカに住んではいるけど国籍は日本人で、普段は英語を話しているけどSNSの発信は日本語で日本の方向けに……というように国や文化を行き来しながら生きている人間で。そういう自分の人生ともリンクする感じがしたのかもしれません。

 

――ははぁ、なるほど。

 

くろますおさん:そんなわけで、いつの間にかアフィリエイトよりWeb3.0やNFTそのものにハマっていったわけです。ちなみにWeb3.0って匿名性が特徴なんですけど、それが僕が匿名アカウントにしている理由の1つでもあったりします。

 

――なるほど! そういうことだったんですね。そういえばアイコン画像もNFTなんだとか。

 

くろますお:そうなんです。NFTを学ぶ中で実際に購入したものです。

 

XのアイコンにしているNFTコレクション「Clone X」

 

――ところで、昨今は「円が弱くなっている」とか「日本のGDPは全然成長していない」なんてニュースもよく聞くんですが、アメリカから見た日本ってどういう感じなんですか? 

 

くろますおさん:うーん、確かに、厳しい状況ではあると思いますね。通貨的な問題もそうだし、国際的な地位もそうだし。

 

――なるほど……ちなみに日本がそうなってしまう理由ってなんだと思います?

 

くろますおさん:もちろんいろいろな要因があるんだと思いますが、やっぱり労働人口の減少っていうのは大きいと思いますね。経済活動において「頭数」って本当に大事なんです。でも、そこがどんどん先細ってしまっている。

 

――そうですよねえ。10年後20年後にはどうなっているのか……。でもなんで日本だけこんなに極端に減っていくんですかね。

 

くろますおさん:歯止めが効かない理由の一つとして、やっぱり「移民を受け入れづらい社会」だというのがある気がして。

 

――なるほど。確かに日本は昔からそう言われていますよね。国民性としてもそうだし、島国っていう立地的にも入国のハードルが高い。

 

くろますおさん:そうそう。逆にアメリカってまさに「人種のるつぼ」で。メキシコとか中米の方からアメリカンドリームを求めてガンガン移民が入ってくる。

トランプさんはそういうのを取り締まろうと壁を作ったりしてましたけど、それを乗り越えてやってくるハングリーな人たちが大勢いるわけです。

 

――ああ、そうか。仕事したい人が大勢やってくるわけだから、労働人口が減らないんですね。

 

くろますおさん:そういうことです。アメリカに住んでいて一番感じる日本との違いは、やっぱりそこかな。こっちには白人も黒人も黄色人種もみんないるのが当たり前で、「この人はアメリカ人なのかな?」なんて誰も気にしていない(笑)。

 

――笑。ということは、日本も移民を積極的に受け入れた方がいいんですかね。

 

くろますおさん:そこはなかなか難しい問題ですよね。アメリカでは逆に労働人口が多すぎて失業しちゃう人も大勢います。日本とは比べ物にならないくらい貧富の差が大きいですし、ホームレスも多いし。

それに、これは有名な話ですけど、こっちには日本のような国民皆保険はないですから。医療費がものすごく高くて、払える人は払って治療を受けて下さい、払えない人は我慢して下さい、っていう超自己責任社会で。

 

――なるほど。いいことばかりではないと。

 

くろますおさん:そうなんですよね。そういう意味では日本って、ある程度の健康は保証されているじゃないですか。みんなが最低限の文化的な生活を送れているから、街もキレイで安全だし。

 

――アメリカの人から見てもそこは大きな魅力なんですかね。

 

くろますおさん:それはそうだと思いますよ。アメリカ人に「どこの国に旅行行ってみたい?」って聞いたら、日本はトップ3には必ず入ってきますから。

 

――へえ! それってどういう理由なんですかね。キレイで安全だから?

 

くろますおさん:それもあるんですけど、日本ってなんていうか、外から見るとすごく「ミステリアス」なんですよ。鎖国文化っていうか、日本人が思っている以上に、日本の情報ってあんまり出てこないんです。

 

――ミステリアスかぁ……そんな風に思われているんですね。

 

くろますおさん:そういう意味では、観光業に力を入れていくのはアリだと思いますね。ミステリアスさを維持したまま、もう少し積極的に情報を出していけば、もっとたくさんの外国人が集まると思いますよ。

 

 

 

ソーシャルセリングについて

――それではここからは、くろますおさんのSNS利用についてお聞きしていきたいと思います。発信のメインはX(Twitter)だと思うんですが、アカウントを作成されたのはいつ頃でした?

 

くろますおさん:先ほど話していたアフィリエイトをやり始めた頃なので、2020年の12月頃ですね。

 

――なるほど。ということは、当初はアフィリエイトの宣伝用に作られたとか?

 

くろますおさん:まさにそうです。少しでも集客に繋げられたらと思って。でも、全然ダメだったんですよね(笑)。

 

――え! そうなんですか?

 

くろますおさん:がんばってたんですけど、全然フォロワーが伸びなくて。まぁ、そもそものアフィリエイトも調子良くなかったんで、仕方がないのかもしれませんけど。

 

――具体的にフォロワーはどれくらいだったんですか?

 

くろますおさん:開設して1年半くらいやって1,000人くらいでした。毎日「もう辞めようかな…」なんて思いながらやってました(笑)。

 

――ちなみに発信内容はずっとアフィリエイト関連を?

 

くろますおさん:最初はそうだったんですが、うまくいかないからあれこれ試してましたね。アメリカに住んでる日本人向けの情報を出してみたり、日本にあるアメリカ人向けのマーケットに英語で発信したり……

言語に関しても、英語で書いたり、日本語で書いたり、いま考えればかなり迷走してました(笑)。

 

――そうなんですね(笑)。でもどこかでバズが来るわけですよね。

 

くろますおさん:そうですね。2022年の10月くらいに、日本でNFTの市場がわっと盛り上がった時期があったんですけど。

 

――ああ、はいはい、ありましたね。

 

くろますおさん:その時に僕、たまたまNFT関連の発信をよくしてたんです。それでバズったと言うか、うまく波に乗れたんですよね。

 

――なるほど。その結果、フォロワーはどれくらい増えたんでしょう。

 

くろますおさん:3ヶ月くらいで1万人を超えましたね。それまでは1年半やってて1,000人だったのに(笑)。

 

――すごいですね! でも、日本でNFTが話題になった頃って、くろますおさん以外にもそういうツイートをしていた人っていたと思うんですよ。その中でなぜ注目されたと思いますか?

 

くろますおさん:それはやっぱり、アメリカの情報を日本語で発信していた、というところだと思いますね。NFTが話題だ、本場の情報がほしい、そう思っても、海外のメディアまで見に行って英語で読む人ってあんまりいないですよね。

それを日本語に訳して発信したことで、読んで頂けるようになったんだと思います。

 

――なるほど。ちなみにくろますおさん自身はどこで情報を得ていたんですか?

 

くろますおさん:アメリカにWeb3、ブロックチェーン、NFTあたりに特化したニュースサイトがいくつかあるんですが、主にそういったものを読んでました。

 

情報収集のソースとしてよく見ているニュースサイト「Decrypt」

 

――へえ。でも、日本にもそういうサイトはありそうに思うんですが……

 

くろますおさん:ありますね。だから海外のニュースサイトに出た情報も、最終的には日本語に訳されて記事化されるんです。でも、やっぱり翻訳作業とかに多少時間がかかるので、早くても1〜2日はタイムラグがあるわけです。

 

――なるほど! つまりくろますおさんはそのラグを飛び越えるわけですね!

 

くろますおさん:仰るとおりです。本家の記事が出たその日のうちにツイートする感覚ですね。そのスピード感にはこだわってました。あ、あとは連続ツイートをしてましたね。最近は「スレッド」なんて言い方をするのかな。

 

――ああ、1つのツイートに別ツイートをいくつもくっつけるものですよね。

 

くろますおさん:そうそう。最近は皆さん当たり前に使ってますけど、当時はまだ珍しかったんですよ。

 

――確かに、くろますおさんと言えば連続ツイートという印象があります。

 

くろますおさん:以前NFT関連のリアルイベントに出たことがあるんですけど、初めて会った方に自己紹介したら「あ!連続ツイートの人ですよね!」なんて言われたことがあります(笑)。

 

――笑。そんな感じでどんどん認知され、現在1.7万フォロワーまでいったと。ところで最近はNFTってどうなんですか?

 

くろますおさん:今は市場が落ち着いちゃっていて、ツイートしても全く伸びませんね。AIもそうで、ChatGPTが出た頃はすごい勢いでしたけど、今は全然です。

そういう意味ではX(Twitter)は割とホットトピックです。皆さんご存知のようにイーロン・マスクさんがガチャガチャとやられているので(笑)。

 

――確かに(笑)。

 

くろますおさん:とはいえ、僕自身は個別のSNSにはあまり興味はなくて、もう少しマクロな視点で見ています。世の中全体としてSNSはこういう方向になっていくよ、分散型SNSってこういうものなんだよ、それは世界をこう変えていくんだよ、っていう視点の発信をしたくて。

 

――なるほど。実際、これからのSNSはどうなっていくんでしょう。

 

くろますおさん:そうですね。日本でも「インスタ映え」っていう言葉が当たり前になったように、SNSって自分を着飾ってキラキラさせて発信するものでしたよね。やがてインフルエンサーと呼ばれる人が大勢出てきて、そこに企業も広告をバンバン出した。

でも、Z世代とよばれる若者たちって、そういうことにもう疲れてきてるんですよね。

 

――着飾ってキラキラしてなきゃいけない、それ自体にストレスを感じていると。

 

くろますおさん:そう。だからだんだんと、「ありのままの自分を出す」「偽りのない発信をする」っていう流れができ始めているんですよ。

 

出典:https://www.todayonline.com/singapore/be-authentic-online-bereal-app-test-2001761

 

――ははぁ、日本にも「インスタ疲れ」っていう言葉がありますけど、同じようなことですか?

 

くろますおさん:そうだと思いますね。だから今後のSNSは、「キラキラ」よりも「ありのまま」が重視されるようになるんじゃないかなと思ってます。

というのも、僕はSNSってサードプレイスだと思っていて。

 

――サードプレイスって、いわゆる家でも職場でもない第三の場所、みたいなことですよね。

 

くろますおさん:ええ。多くの人が一日の少なくない時間をSNSを見て過ごすわけで、意識しているかどうかは別として、これはもうサードプレイスなんですよ。

で、人生においてサードプレイスってすごく大切で。メンタルが安定したり、やる気・活力の源になったりもする。そういう意味でSNSがもっともっと心地よい居場所になったら、みんなハッピーになれるんじゃないかなと。

 

――なるほど。おもしろいです。ちなみにそういう風に考えていらっしゃるくろますおさんは、今後SNSをどう使っていく予定なんでしょう。

 

くろますおさん:そうですね。今まで通り、自分の興味関心に正直にやっていければと思っています。正直、フォロワーさんをもっと増やそう!ってあんまり思っていなくて。

どちらかというと、フォロワーさんとのコミュニケーションに時間を使っていきたいなと。

 

――なるほど。実際、Xのサブクスも順調だということですし、Voicyの登録者も増えているとか。

 

くろますおさん:そうなんです。Xのサブスクリプション購読者は100人近くになりましたし、Voicyで配信している「”次”のトレンドを”今”学べる」ラジオも約2,200名の方にフォローいただいています。

 

――XのフォロワーさんがVoicyを聞きに行って、そっちでもフォロワーになるということが起きているんですかね。

 

くろますおさん:ええ、そういうケースも多いと思いますね。興味関心の近しい人が集まってくださったので、どこかのタイミングでマネタイズにも注力していこうと思っています。

 

――なるほど。具体的にはどのようなプランをお考えですか?

 

くろますおさん:まだ模索中ではあるんですが、たとえば有料会員さん限定の、何かプレミアムな配信をするとか。まぁ、無料で出すものと有料で出すものの線引きが、自分の中でもまだ明確じゃないので。今後しっかり考えていきたいと思ってます。

ともあれ、まずは購読してくださっている方たちに少しでも有益な情報を届けつつ、皆さんと今まで以上に密なコミュニケーションを取っていくこと、それが当面の目標であることには変わりはないですね。

 

――ありがとうございます。今日は貴重なお話をありがとうございました。今後のご活躍にも期待しております!

 

くろますおさんのvoicyはコチラから

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