ソーシャルセリング実践例 SecureNavi株式会社 ほったけんたさん

ほったけんたさんとは?

――今回はSecureNaviビジネス本部・本部長でありつつ、個人のXでも3万人近くのフォロワーを持つ”SaaSセールス”の専門家、ほったけんたさんにお話をお聞きします。よろしくお願いします!

 

ほったさん:こちらこそよろしくお願いします!

 

 

――個人的にほったさんと言えば「ビールで乾杯している人」という印象が強いのですが(笑)、最近はあまり乾杯ポストがないような…

 

 

ほったさん:そうですねぇ(笑)。私も最近本部長になりましたし、あんまり乾杯ばっかりしている上司も嫌じゃないですか。なので最近はちょっと控えております。

 

…とはいえ、いまだに「あ、ビールの人だ」と言われますけれど(笑)。

 

――そうなんですね(笑)。ということで、ここであらためてほったさんはどんな人なのか、これまでの経歴などお聞きしてよろしいでしょうか。

 

ほったさん:キャリアで言うとまずはパソナという人材系の会社に入りまして、そこから「楽楽精算」というクラウドサービスをやっているラクスに移り、そこでサービスの営業をやったり、新規事業の立ち上げに関わったりしました。

 

その後ISMS・Pマーク自動化のクラウドサービスを運営するSecureNavi株式会社に移って、現在は本部長として各部門を統括しています。具体的に言うと、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、パートナービジネス、カスタマーサクセス、PMMの6つの部門ですね。

 

――なるほどなるほど。ちなみに先ほどお聞きしたら、全員がフルリモート・フルフレックスという働き方なんですってね。

 

ほったさん:そうなんです。SecureNaviのバリューにもある「ハイパフォーマンス」を意識した働き方の一環としてフルリモート・フルフレックスを導入しています。

 

例えばお子さんがいらっしゃる方も多いのですが、そうなると朝晩の送り迎えとかお風呂とかごはんとか、いろいろ大変じゃないですか。

 

だからそういう方は自分で働き方を調整して、家事育児で忙しい時間帯には打ち合わせを入れず、業務に集中できる他の時間で調整しています。

 

 

――へえ〜、徹底していますね。ちなみにほったさんご自身もオフィスには行かないんですか?

 

ほったさん:行かないです。というか、入社してからほとんど行ったことがなくて(笑)。もっぱら自宅で仕事しています。とはいえ、中には毎日出勤している人もいますし、コワーキングスペースを契約してそこで働いたり、カフェでやっている人もいますね。そのあたりの費用負担もありますので。

 

――ふ〜む、なるほど。会社のサポートのもと、皆さんそれぞれのスタイルで働いてらっしゃるわけですね。…でもそれってマネジメント側、つまりほったさんのような方から見ると難しかったりしないんでしょうか。

 

ほったさん:おかげさまで、うちはすごくうまくいっていますね。今のところ全然問題ないです。

 

――へえ! それは何かコツがあるんでしょうか。これをご覧の方の中にも「フルリモートのマネジメントってどうやったらいいの!?」なんて悩んでいる方もいるかもしれません。

 

ほったさん:そうだなぁ。もちろん状況によって様々だと思うんですが、ウチに関して言うと、「コミュニケーションデザイン」をすごく考えているんですよね。というのも、人と人との関わり方にもデザインが必要だと思っていて。

 

とえば、組織図なんかをじっくり見てみると、「こことここの連携、もっとスムーズにできるかも」なんて思うわけですよ。「ここは横や上とのコミュニケーションはバッチリだけど、斜めとはちょっと不十分かも」とか。

 

 

――ははぁ、なるほど。でも、それがわかったとして、どう改善していくんですか?

 

ほったさん:それはもういろんなやり方がありますよね。頑張ってる人を表彰してみるとか、おやつ会を開いてみるとか、「会議はこんな風にしようね」っていう指針を定めたりとか。最近だと「社内ラジオ」っていうのを始めたんですけど、すごく評判が良くて。

 

――社内ラジオ!?

 

ほったさん:そうそう。社員を1人ゲストに招いておしゃべりする、っていう音声コンテンツなんですけど。ほら、会社が大きくなってくると、喋ったことのない人がどうしてもでてくるでしょう? 部署や階層が違うとなかなか話す機会もないし、そもそもうちはフルリモート・フルフレックスなので。

 

――確かに。自分の仕事をしているだけだと、ずーっと知らないままってこともありそうです。

 

ほったさん:そうなんですよ。それがもったいないなぁと思って始めました。人柄も伝わるし、皆さんいろんな経験を話してくださるので、コンテンツとしても純粋におもしろくて。

 

――へぇ〜、確かにそんなラジオがあったら聞いてみたいです。それに、何かで一緒になったときも「あのラジオ、聞きましたよ」なんて会話が生まれそうです。

 

ほったさん:まさにそこなんです。結果的にものすごくいいコミュニケーションデザインになっていて、社内の風通しもどんどんよくなっている。

 

こういう活動を積極的にやっていくことで、フルリモートでもよい関係性が生まれ、マネジメントもやりやすくなるというわけです。もっとも、そういうことをものすごく戦略的にやっているというより、私自身が単にこういう活動が大好き!という面もあるわけですが(笑)。

 

――なるほど(笑)。ほったさんが上司だったらすごく楽しく仕事ができそうです。ところで、そういう本業の傍ら、ほったさんはご自身でもいろいろな副業をされていると聞きました。今はどんなことをされているんですか?

 

ほったさん:大きく分けると3つあるんですが、まずはXの支援ですね。SaaS界隈やインサイドセールス界隈の社長さんに「Xはこう使うといいですよ」とアドバイスしたり、拡散のお手伝いをしたりする仕事です。

 

――ご自身が約3万人フォロワーということで、実践的かつ説得力のあるアドバイスがいただけそうです。拡散のインパクトも大きいでしょうしね。

 

ほったさん:2つ目は、「神事例」という事例記事制作のサービスがあるのですが、そこのマーケ・広報的なことをしています。事例記事を作りたいな〜という方がいたらサービスを紹介して、担当に橋渡しするような立場ですね。

 

そして3つ目は、それ以外のスポットのお仕事ですね。ご依頼いただいて営業コンサルみたいなことをしたり、営業資料のアドバイスをしたり。組織についてのご相談も多いですね。

 

 

――へぇ〜、いろいろなお仕事をされているんですね。ちなみにほったさんはご自身の一番の強みはどこにあると感じているんでしょうか。…なんだか面接みたいな質問で恐縮ですが(笑)。

 

ほったさん:笑。そうですねぇ。自分のことなのでなかなか難しいですが、いわゆる「1を10にする」ことが得意だと思ってます。逆に言うと、「0から1を生み出す」のはあんまり得意じゃない。

 

サービスなり商品が既にあって、その認知を広げたり販売していく。その中でPCDAをガンガン回して、改善し続ける。そういう分野では、私はけっこう活きるんじゃないかなと。

 

――なるほどなるほど。ちなみにそういう能力はどうやって身につけたんですか?

 

ほったさん:どうなんですかね。もちろん社会人になってからの経験や勉強によって、という部分が大きいとは思うんですけど、「認知を広げる」という点に関して言うと、実は学生時代かもしれない。

 

――そうなんですか? それはどういう経験を通じて?

 

ほったさん:ええと、ちょっとよくわからない話かもしれませんが、大学生の頃に私、就活支援の仕事をしていたんですね。企業分析の仕方とか面接のコツとかを教えるみたいな。

 

で、「関西の就職支援で一番有名な人になろう」って考えたんですよ。「関西の就職支援ならほったけんた」みたいなポジションを狙おうと。

 

――へえ! ご自身も大学生なのに、就活支援のキーパーソンになろうと。

 

ほったさん:そうなんです(笑)。それで、どうやったらいいんだろうって考えて、やっぱり皆が興味を持ってくれる、面白がってくれることをしないとダメだと思ったんですよ。で、「ほったけんたの女子就活セミナー」なんてイベントをやってみたりして。

 

――女子就活セミナー! それは一体どんな?

 

ほったさん:文字通り女性向けの就活セミナーですね。当時女性に人気があった職種がCAとかなんですが、航空会社の内定を既にもらっている方を呼んできて、スピーチしてもらったり参加者の質問に答えてもらう。これはすごく好評でした。

 

あとは合同説明会を主催している会社があるじゃないですか。そこの人たちと仲良くなって、イベントでスピーチさせてもらったりとか。イチ大学生がステージに上って偉そうに話しているわけで、「ちょっとあの人って何者?」みたいになるじゃないですか(笑)。

 

 

――確かに(笑)。

 

ほったさん:あとは就活の本を書いている著者さんに会いに行って仲良くなって、その方と一緒に講演してみたりとか。こういうことを繰り返していくことでどんどん認知を上げていったわけです。そういう経験が今になってかなり活きている実感はありますね。

 

というか、自分のXの運用とかは、当時のやり方とかなり似ていると思いますね。今でも私、「ほったさんって何でそんな有名なんですか?」「そんなにフォロワーいるけど何者なんですか?」みたいによく言われますから(笑)。

 

――なるほど(笑)。ちなみにそんなほったさんの今後というか、夢はあるんでしょうか。現在も会社員であり事業主であり、3万人のフォロワーを持つ有名人でもあるわけですが。

 

ほったさん:うーん、私はあまり「10年後には絶対これを叶えたい!」みたいなタイプではないんですよ。どちらかというと、これちょっとおもしろそうだな、これ仕事にできるかもなみたいに、近場の興味関心に沿って生きている人で。

 

あ、でも、先ほどのコミュニケーションデザインの話然り、「組織づくり」はすごく好きな分野なので、それは今後も続けていきたいなと思いますね。将来的には、「チーフコミュニケーションオフィサー(CCO)」なんかを目指しているのかもしれない。

 

――ほったさんにすごく似合いそうです!

 

ほったさん:ありがとうございます。あと個人的には、イベントが開けるカフェみたいなお店をやりたいな、とも思っていて。交流会を気軽に開催できるような。

 

そういえば以前、「ほったけんたのセンスのエッセンス」っていうイベントもやってたんですよ(笑)。交流会と勉強会を兼ねたようなもので。ああいうのを自分のお店で開けるようになったらすごく嬉しいですね。

 

ソーシャルセリングについて

 

――ではここからはソーシャルセリング、SNSの使い方などについてお聞きしていきたいと思います。個人的にもほったさんと言えばX、というイメージがありますが、他のSNSはあまり使われてないんでしょうか。

 

ほったさん:メインはやっぱりXですね。もちろんFacebookやInstagramもアカウントはあるし、LinkedInとかYOUTRUSTとかも一応やってはいるんですけど。

 

でも結局、自分にはXが一番合っているんです。ユーザー数も投稿数もすごく多いし、最近は顔出し・名前出しで発信する人も増えてきたし、SNS本来の価値である「交流」みたいな部分でもすごく楽しい。

 

 

 

――それはビジネス活用という意味でも感じますか?

 

ほったさん:そうですね。X経由でお仕事のご相談をいただくこともありますし。でもそういう意味では、採用面での効果をすごく感じますね。「ウチで働きませんか?」みたいな投稿をすると、なかなかの数の方が反応してくれる。

 

それでカジュアル面談したりしながら、実際ここ最近でも4人くらい採用に至っていますから。

 

――なるほどなるほど。応募する方も、ほったさんの投稿を普段から見ていたりしたんでしょうね。

 

ほったさん:そうそう。ある程度私のことや会社のことを知った上でDMをくれるので、話は早いですよね。あとは直接採用に関わっていない社員の方から、「実は私、ほったさんのXずっと見てました」なんて言ってもらえたり(笑)。

 

――確かにそういう方も多そうですね(笑)。そういえばほったさん、音声配信メディアのVoicyもやっているじゃないですか。そこではどんな発信をされているんですか?

 

ほったさん:先ほど紹介した社内ラジオのスタートアップ版というか(笑)。「月曜日のスタートアップ大学」という名前で、スタートアップで働く中での経験や知見、本や人からの学びを紹介しています。最近はゲストを招いての対談が多いですね。

 

 

――へえ、どんな方がゲストに来られるんですか?

 

ほったさん:経営者さんがメインですが、本の著者さんとか、あとは「世界遺産検定1級持ってます!」みたいな人とか、いろんな方に来てもらっています。

 

――なんだかすごく面白い話をしてくれそうですね。ちなみにほったさんはなぜVoicyをやられているんでしょう? これもビジネス的な戦略の一部なんでしょうか。

 

ほったさん:うーん、いや、正直そこまで考えてないですね(笑)。もちろん、これを聞いてくださった方が私のXをフォローしてくれたりとか、あとは「あの社長とも知り合いなんだ!すごい!」となって、結果ほったけんたのブランディングに繋がる、みたいな部分はあるかなと思います。

 

でもそういうことよりも、これもまたコミュニケーションデザインの一貫なんだろうと思います。

 

たとえば交流会とかで名刺交換しただけの人って、あんまりそれ以上発展しなかったりするじゃないですか。でも「よかったら今度Voicy出てくれませんか?」っていうと、結構皆さん興味持ってくださるんですよね。そういうネクストアクションの場として活用しているというか。

 

――なるほど! そうやって距離が縮まっていくと。その結果、お仕事を依頼されたりみたいなことにも繋がるわけですか。

 

ほったさん:まぁそれが目的ではないんですが、結果的にそうなることも多いですよね。「ほったさんXのコンサルもやってるんだ。ぜひ私のも頼むよ」みたいな。

 

――すごいなぁ。…それにしても、会社の本部長やって副業もたくさんして、その上XにVoicyにって、とんでもなく忙しい毎日なんじゃないですか?

 

ほったさん:いやいや、そんなこともないですよ。暇してます(笑)。

 

――いやいや(笑)。さすがにそれは嘘でしょう?

 

ほったさん:まぁ、もちろん時にはバタバタはしますけど。でも、自分のキャパシティ以上のことはしていないので、本当にそんな寝る暇もない、みたいな状態では全くないです(笑)。

 

――でもいろんな方からご依頼を受けるわけじゃないですか。その時にキャパがいっぱいだったらどうするんです?

 

ほったさん:「今はいっぱいなので●月からどうでしょう」みたいに普通に言いますよ。あとは私、他の会社さんに繋ぐこともすごく多いんですよ。自分のキャパシティに関係なく、「この案件はあの会社のほうがよさそうだな」と思ったら、そのままお伝えしてますね。そういう意味ではちょっと課題解決案内人みたいになっているというか(笑)。

 

 

――いや〜、すごい。「陽気な善人」を自称されるだけはありますね(笑)。では最後に読者の方に向けて、Xの使い方について何かアドバイスをいただいてもよろしいでしょうか。

 

ほったさん:もちろんその方の状況や目的によって様々だと思うんですけど、1つだけお伝えするなら、始めてすぐは1つのテーマに絞った方がいいと思いますね。

 

例えば私の場合は、最初は「SaaSセールス」というテーマに絞って、それに関連することばかりを発信していました。そうすることでSaaS界隈の皆さんに知っていただけたり、フォローしてもらえたので。

 

――なるほどなるほど。あっちへこっちへフラフラしない方がいいということですね。

 

ほったさん:いやもちろん、SNSで何を発信するかは自由なんですけどね。でも、テーマやターゲットを明確化した方が届きやすいのは間違いないと思います。

 

ともあれ、じゃあ1度決めたら最後までその1テーマでやれるかというと、やっぱりどこかで壁に当たるわけですよ。私自身もSaaSセールスだけだとそろそろ天井だなと思った時に、「ビジネス書の紹介」「採用関連」「広報」みたいに少しずつ領域を広げていきました。

 

要はこれ、SaaSのプロダクト開発と同じなんですよね。1つのプロダクトだけだとどこかで絶対成長率は止まるので、そこで次のプロダクトを出せるか、という。そういう感覚でXをやると、比較的うまくいくような気がします。

 

――なるほど! ありがとうございます。本日はほったけんたさんにお話をお聞きしました。

 

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