こんにちは!最近、会社のシステムがどんどんクラウド化していって、「クラウドって結局何なの?」って思うことありませんか。私もその一人でした。
でも調べてみたら、クラウド業界って今めちゃくちゃアツいんです。Forbes が発表した「Cloud 100」という、クラウド業界のトップ企業ランキングを見て驚きました。AIから決済、セキュリティまで、私たちの生活やビジネスを支える企業がズラリ。
今回は、2025年版Forbes Cloud 100のトップ20社について、ビジネスパーソンとして押さえておきたいポイントをわかりやすく解説していきます!
目次
企業概要 2015年設立のOpenAI は、ChatGPTやGPT-4で一世を風靡したAI企業です。本社はサンフランシスコ。「安全で有益な汎用AIの実現」をミッションに掲げています。
注目ポイント
評価額は約3,000億ドル(約33兆円)で、2025年10月には5,000億ドルの評価で株式売却が行われたとの報道も。生成AI革命の中心として、圧倒的な存在感を示しています。
企業概要 2021年設立と新しい企業ながら、大規模言語モデル「Claude」シリーズで急成長。OpenAI出身者が創業し、AIの安全性研究に注力しています。
驚異的な成長 創業わずか4年で評価額18兆円規模に到達。2025年9月にはシリーズFで130億ドルを調達し、評価額1,830億ドル(約19.4兆円)に。年間経常収益5億ドル規模に成長しました。
投資家情報 Amazonが最大40億ドル、Googleが25億ドル規模の出資を約束。ICONIQ CapitalやQatar Investment Authorityなど大手ファンドも参加しています。
企業概要 2010年創業のオンライン決済プラットフォーム。ウェブやモバイルアプリでの決済処理APIを開発者向けに提供し、世界最大級の未上場フィンテック企業として知られます。
圧倒的な実績
評価額915億ドル(約13兆5千億円)で、累計約94億ドルの資金調達を実施。Sequoia CapitalやAndreessen Horowitzなど有力VCが初期から参画しています。
企業概要 2013年創業。オープンソースのApache Sparkの開発者たちにより設立され、クラウド上のデータ分析プラットフォームを提供します。
革新的なコンセプト データレイクとデータウェアハウスを統合する「レイクハウス」という概念を提唱。大規模データ処理とAIワークロードを一元化できます。
急成長の軌跡 年平均50%以上の高速成長を遂げ、2023年度の収益は16億ドルに到達。2024年には更に26億ドル(推定)に伸び、顧客数は1万社超。2025年には評価額1,000億ドル超と報道されています。
企業概要 2013年設立、オーストラリア・シドニー発。専門知識がなくても誰でも簡単にプレゼン資料やSNS画像、動画などのビジュアルコンテンツを作成できるサービスを提供。
驚異的なユーザー数
評価額は420億ドル前後で、生成AI機能(Canva AI)を追加するなど継続的な進化を続けています。
企業概要 2019年設立のニューヨーク発フィンテック企業。企業向けコーポレートカードと経費管理プラットフォームを提供し、「企業の支出管理」サービスをクラウドで展開。
急成長の秘密 設立からわずか5年で評価額約225億ドル(約3.3兆円)に到達。2025年7月のシリーズE2で評価額225億ドルを記録しました。
実績
投資家にはIconiq Capital、Founders Fund、D1 Capitalなどが名を連ねます。
企業概要 2015年設立(旧社名TripActions)。法人向け出張・経費管理プラットフォームを提供し、出張予約から経費精算まで、企業の出張・費用管理をワンストップで支援します。
事業転換の成功 コロナ禍を経て経費管理サービスへピボットし急成長。2023年には売上6億ドル超・前年比32%成長でIPO申請を行ったと報じられました。
評価額 92億ドル(約1.35兆円)。年間総取扱高は76億ドル規模に達し、ビジネス旅行市場で存在感を示しています。
企業概要 2022年設立という新しさながら、AI搭載コーディングアシスタント「Cursor」を開発。MIT出身の創業者たちにより立ち上げられ、生成AIブームに乗って「史上最速で成長するスタートアップ」と評されます。
驚異的な数字
評価額は99億ドルで、2025年後半には180〜300億ドルの評価で追加出資の打診があるとも報じられています。
企業概要 2019年設立。リモートワーク向けの人事・給与管理プラットフォームを提供し、グローバルに人材を雇用・契約する際の契約管理や給与支払いを簡素化。
グローバル展開 世界150ヶ国以上・数千社に利用され、国境を越えた人材雇用インフラとして急成長しました。
成長実績 年率20倍という驚異的成長を記録した2020年以降も高成長を維持。2022年にはARRが約2.95億ドル、2023年には約5億ドル(推定)に。
評価額は120億ドル前後で、a16z(Andreessen Horowitz)やSpark Capital、Emerson Collectiveなど著名投資家が参加しています。
企業概要 2013年設立。オールインワンのコラボレーションノート/データベースアプリを開発。メモ、ドキュメント作成、プロジェクト管理、Wiki、データベース機能などを統合した生産性プラットフォームを提供。
ユーザー数の爆発的増加
評価額100億ドルで、Index VenturesやSequoia Capitalが主要株主。元Google CEOエリック・シュミット氏のファンドも参加しています。
企業概要 2009年設立、ウクライナ・キエフに開発拠点。AI搭載の英文ライティング支援ツールを提供し、文法チェックやスペルチェック、表現改善の提案を行います。
安定した成長
評価額130億ドル(約1.9兆円)。2021年11月の調達で130億ドルに到達し、BlackRockやBaillie Giffordが出資しています。
企業概要 2011年設立、ドイツ・ミュンヘン発祥。プロセスマイニング/実行管理ソフトのリーディング企業で、企業内の様々なITシステムのログデータを解析し、業務プロセスの可視化や効率化提案を行います。
実績
評価額120億ドル前後。ソフトバンク・ビジョン・ファンドが2018年に投資し、評価額90億ドルに跳ね上がりました。
企業概要 2014年設立、ニューヨーク本社。オープンソースの統合監視プラットフォーム「Grafana」を開発し、時系列データの可視化ダッシュボードやアラート機能を提供。
成長軌跡 2020年以降のクラウドネイティブ化・分散システム増加に伴い爆発的な需要増に対応。2023年時点で年次経常収益(ARR)4億ドル超、顧客数7,000社超。
評価額は約50億ドル。2025年9月にカナダ年金等から投資を受け入れ、市場評価額を50億ドル台後半に引き上げたと見られます。
企業概要 2012年設立、カリフォルニア州サンタクララ。クラウド型セキュリティサービス(SASEプラットフォーム)のリーダー企業。
サービス内容 CASB(クラウドアクセスセキュリティブローカー)、SWG(安全なWebゲートウェイ)、ZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)などを統合し、企業のクラウド利用を包括的に保護。
成長実績 ARRが2024年に2億ドル超。2022年時点でFortune100の25%以上が採用。2023年9月にNASDAQに上場し、公開初日に株価21%上昇。
評価額88億ドル前後。Lightspeed Venture PartnersやInsight Partnersが主要株主です。
企業概要 2011年設立、サンフランシスコ本社。中小企業向けの給与・人事管理クラウドを提供し、従業員の給与計算、税務処理、福利厚生管理などをワンストップで実現。
安定成長 年率20-30%の安定成長を続け、2023年には推定売上5億ドルに到達。全米で30万社以上が利用するサービスへ成長。
評価額100億ドル(約1.45兆円)。2021年8月のシリーズE調達時に評価額100億ドルに到達。General CatalystやGoogle Capitalが主要株主です。
企業概要 2016年設立、サンフランシスコ本社。人事(HR)、IT、財務の統合プラットフォームを提供し、入社・退社時の手続きから給与計算、社内ITアカウント管理、経費精算まで一元化。
成長スピード 年平均50%以上の成長率で売上を伸ばし、2022年にはARR1億ドル突破、2023年には2億ドル規模に。顧客数は3,000社以上に増加。
評価額170億ドル前後。Sequoia CapitalやBedrock Capital、Green Oaksが出資しています。
企業概要 2007年設立、ワシントン州カークランド本社。エンドポイント管理・セキュリティプラットフォームを提供し、社内PCやサーバなど数十万台に及ぶ端末の状態をリアルタイム把握。
堅実な成長 2010年代中盤に爆発的成長を遂げた後、最近は年10-20%台の緩やかな成長。2023年時点でARRは4億ドル規模。Fortune100企業の6割以上を顧客に持つ。
評価額90億ドル前後。2021年にソフトバンク・ビジョン・ファンドが投資し、評価額90億ドルに到達しました。
企業概要 2011年設立、サンフランシスコとアムステルダムの二拠点本社。オンラインホワイトボードコラボレーションツールを提供し、チームがリアルタイムに図解や付箋を貼りながらブレストやプロジェクト計画を立てられる。
ユーザー数
評価額70〜100億ドル。2022年1月のシリーズC時に評価額170億ドルとなりデカコーンの仲間入りを果たしました。
企業概要 2018年設立、サンフランシスコ本社。AIを活用したクラウドメールセキュリティプラットフォームを提供し、フィッシングやビジネスメール詐欺(BEC)など高度なメール攻撃から企業を保護。
急成長 ARRが2024年に2億ドル突破。設立5年で2022年には1億ドルARRに到達しユニコーン入り、そこからさらに2倍以上の成長。
評価額51億ドル。2024年8月のシリーズDで評価額51億ドルに到達。Greylock PartnersとMenlo Venturesが主導しています。
企業概要 2016年設立、ニューヨーク本社。モバイルメッセージマーケティングプラットフォームを提供し、特にSMSマーケティングに強み。小売・Eコマース企業が消費者へのパーソナライズメッセージを配信。
成長実績 2020年以降、EC需要拡大に伴って年率50%以上の成長を遂げ、2023年には推定収益3億ドル突破。クライアント数は2,000社以上。
評価額30〜40億ドル台。2021年3月のシリーズE調達時に評価額78億ドルと報じられましたが、市場調整で現在は評価がばらついています。
順位 | 企業名 | 本社 | 最新の評価額(約) | 中核事業 |
1 | OpenAI | カリフォルニア州 | 3,000億ドル | 生成AIモデル&プラットフォーム(ChatGPT, Sora) |
2 | Anthropic | カリフォルニア州 | 1,830億ドル | AIの安全性研究、Claude LLMファミリー |
3 | Stripe | アイルランド/カリフォルニア州 | 915億ドル | グローバル決済インフラ&金融サービス |
4 | Databricks | カリフォルニア州 | 1,000億ドル超 | データインテリジェンスプラットフォーム |
5 | Canva | オーストラリア | 420億ドル | コラボレーティブ・ビジュアルデザインプラットフォーム |
6 | Ramp | ニューヨーク州 | 225億ドル | ファイナンスオートメーション&法人支出管理 |
7 | Navan | カリフォルニア州 | 92億ドル | 統合型出張・経費管理プラットフォーム |
8 | Anysphere | カリフォルニア州 | 99億ドル | AI搭載コードエディタ(Cursor) |
9 | Deel | カリフォルニア州 | 120億ドル | グローバル人事・給与計算プラットフォーム |
10 | Notion | カリフォルニア州 | 100億ドル | 統合型コネクテッドAIワークスペース |
11 | Grammarly | カリフォルニア州 | 130億ドル | AI搭載ライティング&コミュニケーションアシスタント |
12 | Celonis | ドイツ/ニューヨーク州 | 120億ドル | プロセスマイニング&実行管理 |
13 | Grafana Labs | ニューヨーク州 | 50億ドル台後半 | オープンソースの可観測性&可視化プラットフォーム |
14 | Netskope | カリフォルニア州 | 88億ドル(IPO時) | SASE&クラウドセキュリティプラットフォーム |
15 | Gusto | カリフォルニア州 | 96億ドル | 中小企業向け人事・給与・福利厚生プラットフォーム |
16 | Rippling | カリフォルニア州 | 170億ドル | 統合型従業員管理(人事、IT、財務) |
17 | Tanium | ワシントン州 | 90億ドル | 統合型エンドポイント管理&セキュリティ |
18 | Miro | オランダ/カリフォルニア州 | 70〜100億ドル | オンライン・コラボレーティブ・ホワイトボード |
19 | Abnormal AI | カリフォルニア州 | 51億ドル | AIネイティブのメール&人間行動セキュリティ |
20 | Attentive | ニューヨーク州 | 30〜40億ドル台 | AI搭載SMS&会話型マーケティング |
※評価額は報道によりばらつきがあるため、参考値としてご覧ください。
Forbes Cloud 100トップ20社を見てきましたが、共通するポイントがいくつか見えてきました。
1. AIとの融合が加速 上位20社のうち、OpenAI、Anthropic、Anysphere、Abnormal Securityなど、多くの企業がAI技術を核にしています。従来型のクラウド企業も、生成AIやAI機能の追加で価値を高めています。
2. B2B×SaaSモデルの強さ ほぼ全ての企業がB2B向けSaaSモデルを採用。継続課金により安定した収益基盤を構築し、高い評価額を実現しています。
3. 驚異的な成長スピード Anysphere(創業3年でARR 5億ドル)やAnthrop ic(創業4年で評価額18兆円)など、従来では考えられないスピードで成長する企業が登場しています。
4. グローバル展開 Stripe、Deel、Navan など、国境を越えたサービス提供により巨大な市場を獲得している企業が多数。
5. 大手VCの支援 Sequoia Capital、Andreessen Horowitz、Accelなど、有力VCの支援を受けている点も共通しています。
これらのクラウド企業は、私たちのビジネスや生活を支える重要なインフラとなりつつあります。今後もこの分野から目が離せません。
執筆者プロフィール:中元鈴香
BtoB領域に特化したライター。5年以上にわたり、SaaS、IT、人材、コンサル業界のコンテンツ設計とライティングに従事。上場企業のオウンドメディア立ち上げや、中小企業のSEO内製化支援も多数経験。最新のAI技術がビジネスにもたらす実務的な価値を、わかりやすく伝えることをミッションとしている。
本記事は2025年10月時点の情報を基に作成しています。評価額や業績数値は各種報道を参考にした推定値を含みます。