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BtoB企業が展示会で成果を出すための完全ガイド|KPI設計から実務テクニックまで徹底解説
BtoB企業が展示会で成果を出すための完全ガイド|KPI設計から実務テクニックまで徹底解説

デジタルマーケティングが主流となった現在でも、展示会はBtoB企業にとって極めて効果的なマーケティング手法です。しかし、ただ漠然と出展するだけでは期待した成果を得ることはできません。本記事では、これまで30回以上展示会出展をしてきた筆者の経験から、展示会を成功に導くための戦略と実践ノウハウを体系的にお伝えします。
 

目次

  • 1.展示会で得られる4つのメリット
  • 2.展示会に向いている企業とは
  • 3.展示会のKPI設計|測るべき5つの指標
    • 3-1.展示会期間中のKPI
    • 3-2.展示会後のKPI
    • 3-3.KPI設計のポイント
  • 4.展示会の失敗パターンと回避方法
    • 4-1.よくある失敗パターン
    • 4-2.リアルタイム進捗管理の実践
  • 5.競合より先に商談を量産する実務テクニック
    • 5-1.タブレット端末より紙のアンケートを使う
    • 5-2.バックヤードでのリード分類
    • 5-3.アンケートによる優先順位付け
    • 5-4.リードランク別のフォロー体制
    • 5-5.名刺データ化の重要性とスピード
  • 6.リードナーチャリングで3年以内の受注を狙う
    • 6-1.リードナーチャリングの基本
    • 6-2.現時点のニーズ把握
    • 6-3.リードナーチャリングで成果を出す5つの条件
  • 7.まとめ|展示会は3年スパンで成果を測ろう

1.展示会で得られる4つのメリット

展示会への出展により、BtoB企業は以下の4つの価値を獲得できます。

1. リード獲得
展示会の最大の目的はリード獲得です。まとまった数のリードを短期間で獲得しようとすれば、展示会以上に即効性のある手段はありません。一般的には来場者数の5%がリード獲得率の目安とされますが、戦略的な施策により最大10%まで到達可能です。
来場者2万人の展示会であれば、適切な施策を講じることで2,000件のリードを獲得できます。これは他のマーケティング施策では実現困難な規模です。

2. 商談創出
獲得したリードから商談を創出し、最終的な受注につなげます。展示会で出会えるのは主に潜在層ですが、適切なリードナーチャリングにより、3年以内の受注率は有効リードの6%前後に達します。

3. 認知拡大
自社プロダクトの認知度を効率的に向上させられます。特に業界特化型の展示会では、ターゲット層に集中的にアプローチできる点が強みです。

4. フィードバック収集
プロダクトをリリースしたばかりのスタートアップにとって、見込み客から直接フィードバックを得られることは貴重な機会です。短期間で多数のユーザーインタビューを実施できる場と捉えられます。

2.展示会に向いている企業とは

展示会出展には向き不向きがあります。自社の状況を客観的に評価し、出展の是非を判断することが重要です。

1.リードが不足している企業
営業1人当たり1,000件のリードがあるのが理想的です。この水準に達していない企業は、展示会への出展を積極的に検討すべきです。仮に営業が10人いて既に1万件のリードがあれば、すでに1人1,000件に達しているため、無理に展示会で大量獲得する必要はありません。

2.Web施策を一通り実施した企業
デジタルマーケティングを一通り経験し、次にリアル施策へ展開する段階にある企業に最適です。特にバーティカル領域である建設業や製造業を攻めたい企業にとって、展示会はターゲット層が集まる貴重な機会となります。

3.中小企業をターゲットにしている企業
展示会のリードの約8割は中小企業です。幅広く中小企業を狙いたい企業にとって、展示会は効率的なリード獲得手段となります。

4.地域展開を検討している企業
東京の展示会には関東のお客様が、大阪の展示会には関西のお客様が来場します。来場者はほとんど被りません。関東は取り尽くしたが関西はこれからという企業には、大阪での出展が有効です。

展示会に向いていないケース

  • 新規事業の初期フェーズ(十分な資金がない段階)
  • 大企業のみをターゲットにしている企業(特定の1,000社以下に絞られる場合)
  • すでに十分なリードを保有している企業

3.展示会のKPI設計|測るべき5つの指標

展示会の成果を正確に測定するには、適切なKPI設定が不可欠です。私が重視しているのは以下の5つの指標です。

3-1.展示会期間中のKPI

(1)展示会の来場者数
展示会全体の来場者数です。これは主催者が発表する数値で、前年度とほぼ同じになることが多いため、事前の計画立案に活用します。

(2)リード獲得数
自社が獲得した名刺の総数です。来場者数の最大10%を目標に設定し、1時間ごとに進捗を確認します。現場でコントロール可能なKPIとして、最も重視すべき指標です。

(3)有効リード数
顧客対象外を除いた実質的なリード数です。展示会期間中には正確に把握できないこともありますが、最終的に最も重要な指標となります。

3-2.展示会後のKPI

(4)商談数
獲得したリードから創出された商談の数です。Aランクリードは1週間以内、Bランクは1ヶ月以内にフォローし、商談化を目指します。

(5)受注数(金額)
最終的な成果指標です。展示会後3年以内の受注率は有効リードの約6%が目安となります。SFAのキャンペーンROI分析レポートを活用し、長期的にトラッキングします。

3-3.KPI設計のポイント

展示会期間中のKPIは「現場でコントロール可能なもの」に限定すべきです。質を追いかけすぎると量が減り、結果的に成果が低下します。商談数をKPIにすると、1人の来場者に長時間かかり、他の来場者に接客できなくなります。展示会は名刺獲得に振り切り、商談は後日セットするのがベストプラクティスです。

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4.展示会の失敗パターンと回避方法

4-1.よくある失敗パターン

1. 商談数をKPIにしてしまう
これは最も典型的な失敗です。商談に時間を取られると他のお客様に接客できなくなり、リードの母数が大きく減少します。最悪の場合、社員全員が商談に入ってしまい、ブースの前を通る人に誰も接客できなくなります。

2. リアルタイム進捗管理をしない
展示会終了後にまとめて集計するのでは遅すぎます。1時間ごとに進捗を確認し、目標ペースに乗っているかをリアルタイムでチェックすることが重要です。

3. 有効リードのフィルタリングが不十分
来場者バッジの色で判断し、ターゲット外の方には簡単に対応する仕組みを作らないと、専門学生や引退した高齢者などのノイズに時間を取られます。

4. 投資対効果を短期で判断する
展示会で出会えるのは主に潜在層です。初年度の売上だけにフォーカスすると、費用対効果が合わないと判断されてしまいます。3年スパンで成果を見る必要があります。

4-2.リアルタイム進捗管理の実践

ブース裏のバックヤードに1時間ごとのリード獲得数を集計する表を貼り出し、手書きで記録します。PCで集計してはいけません。進捗は関係者全員が見えるところに貼り、常に目に触れていることが重要です。

目標を下回る場合は、翌日に出る「前日の来場者速報」を必ずチェックします。来場者が少なければ外部要因、来場者が多かったのに取れていないなら内部要因です。内部要因なら自分たちの努力で改善できるため、すぐに対策を打ちます。

5.競合より先に商談を量産する実務テクニック

5-1.タブレット端末より紙のアンケートを使う

意外に知られていないのが、展示会ではタブレット端末を使わない方が良いという点です。iPadなどのタブレットを使うと、1人のコンパニオンが1人の来場者しか接客できなくなります。

一方、紙のアンケート用紙を使えば、名前や所属を書いてもらっている間に別の来場者を接客するという並行作業が可能になります。コンパニオンが一度に3~4名の複数人を接客することも可能です。データ化の観点ではタブレットが優れていますが、展示会では回転率を限界まで上げることが重要です。

5-2.バックヤードでのリード分類

展示会のブース裏側にあるバックヤードに「A」「B」「C」のランクの箱、そして「対象外」と書いた箱を用意します。1時間に1回程度のペースで、コンパニオンが獲得したアンケートを回収し、社員が一つひとつ見ながら適切な箱に仕分けます。

この作業により、Aランク何枚、Bランク何枚、Cランク何枚、対象外何枚、累計何枚といった具合に、リアルタイムで進捗を把握できます。

5-3.アンケートによる優先順位付け

ノベルティを渡す際にアンケートに回答してもらい、リードの優先順位を判定します。アンケート用紙のサイズはハガキ程度、質問数は3~4問が適切です。

アンケート項目の例:

  • 導入の検討時期(今すぐ/3ヶ月以内/6ヶ月以内/1年以内/未定)
  • 予算の有無(確保済み/申請中/未定)
  • 決裁権の有無(自身が決裁者/決裁者に近い/決裁者は別)
  • 興味のあるポイント(自由記述)

「今すぐにでも話を聞きたい」方はAランク、予算がある、決裁者といった方はBランク、それ以外はCランクに分類します。

5-4.リードランク別のフォロー体制

5-5.名刺データ化の重要性とスピード

名刺のデータ化は展示会成功の鍵を握ります。リードは早いもの勝ちです。展示会の翌日にメールが来るスピード感のある会社もありますが、多くの会社は1週間程度かかります。営業のフォローが1週間遅れると、その間に他社に先を越される可能性があります。

Sansanスキャナの注意点
Sansanには1人の営業担当あたり1日の読み込み上限枚数(約20枚)が設定されています。上限を超えてスキャンすると、データ化が即日になりません。展示会のように3日間で数千枚もの名刺を集める場合、Sansanスキャナはあまり推奨できません。

推奨サービス:SmartVisca
サンブリッジが提供する「SmartVisca」なら、1日に数千枚スキャンしてもすぐにデータ化されます。スキャナの種類も複数選べ、高速処理が可能です。

6.リードナーチャリングで3年以内の受注を狙う

展示会で獲得したリードを育てる「リードナーチャリング」が極めて重要です。お客様の興味度を意図した通りに上げることは困難ですが、少なくとも自社のことを忘れられないよう定期的にコミュニケーションを取る必要があります。

6-1.リードナーチャリングの基本

展示会で得られるリードのうち、今すぐニーズがある方は2割もいません。7割以上はすぐには売れないお客様です。2,000件のリードにデジタルを駆使して効率的かつ定期的にコミュニケーションを取っていく体制が必要です。

6-2.現時点のニーズ把握

MAツール経由で展示会で獲得したリードにメルマガを送り、メールのリンクをクリックしてもらうことで、WebサイトのCookieを付与します。すると、自社のホームページにいつ来たか、どのページを見たかのログが全て取れるようになります。

事例のページを10ページ以上見た方だけに連絡する、価格のページを見た方には「検討に入った」と判断して連絡する。これがリードナーチャリングの基本的な動きです。

6-3.リードナーチャリングで成果を出す5つの条件

  1. 2万件以上のハウスリストを保有している
  2. 毎年1,000件以上の新規リードを獲得している
  3. 月1本以上のコンテンツが制作できている
  4. インサイドセールスが稼働している
  5. MA(マーケティングオートメーション)を活用できる

リードナーチャリングは保有するリードが少なくてもやるべきですが、2万件以上あると手応えを感じやすくなります。メールの開封率が20%、クリック率が5%、コンバージョンレートが2%だとすると、2万件あれば50件の商談につながります。

7.まとめ|展示会は3年スパンで成果を測ろう

展示会は正しく活用すれば、BtoB企業にとって極めて効果的なマーケティング手法です。しかし、ただ漠然と出展するだけでは期待した成果を得ることはできません。

重要なポイントを改めて整理します。

  • 展示会の最大の目的はリード獲得であり、来場者の10%獲得を目指す
  • 営業1人当たり1,000件のリードがない企業は積極的に出展を検討する
  • KPIは現場でコントロール可能な「リード獲得数」に設定する
  • 商談数をKPIにせず、名刺獲得に振り切る
  • 1時間ごとのリアルタイム進捗管理でPDCAを回す
  • 紙のアンケートで回転率を最大化し、並行接客を実現する
  • ABC分類で優先順位を明確化し、効率的にフォローする
  • 名刺データ化のスピードが競合優位性を生む
  • 成果は3年以内の受注率で測定し、有効リードの6%を目安とする
  • SFAのキャンペーンROI分析で長期的にトラッキングする

展示会で獲得できるのは主に潜在層です。初年度の売上だけにフォーカスすると費用対効果が合わないと判断されがちですが、3年スパンで成果を見れば十分にROIを確保できます。適切なリードナーチャリングと組み合わせることで、展示会は持続的な成長エンジンとなります。

まずは自社のリード保有状況を確認し、展示会出展の是非を判断してください。もし出展を決定したなら、本記事で紹介した戦略と実務テクニックを活用し、競合に先んじて商談を量産してください。

「展示会攻略大全」をいますぐダウンロード
 


この記事を書いたひと

 
株式会社マイノリティ代表

柳澤 大介

新規事業のマネタイズやグロースが専門。埼玉大学で「イノベーションとマーケティング講座」の講師を務める。監修した「法人営業の教科書」はUdemyの販売実績2,800万円のベストセラー。

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