海外で活躍するプロサッカー選手・本田圭佑氏の出演するテレビCMなどでも有名な、英語コーチングサービス『プログリット』。3か月の短期集中で英語力を強化できることから、今すぐ使える英語力を身につけたいというビジネスマンや、社員の英語力を強化したい法人顧客から強い支持を集めています。
2016年9月の創業からわずか5年半で累計1万2,000名を超える受講者、180社の契約企業を獲得した株式会社プログリットが、どのようにしてこの成長を生み出したのか、創業メンバーの1人である同社取締役副社長 COO、山碕峻太郞さんに語っていただきました。
–まずはプログリッドの英語コーチングが、同業他社などと比べてどういった点で支持されているのかを聞かせてください。
山碕副社長:私たちは「学習生産性」と「投下時間」の掛け合わせが英語力を伸ばしていくための秘訣だと考えており、起業当初からそれを伸ばすことを意識したサービス展開を行ってきました。
学習生産性を高めるために必要なのは、第一にお客さま自身の「課題」を見つけること。今の多くの英会話サービスはソリューションファーストになっていて、ディクテーション(耳にした英語をそのまま書き取る学習法)、シャドーイング(耳にした英語を即座に復唱する学習法)といった学習法や、オンラインでやる、リアルでやるといったHowの部分だけが評価されがちだったんですよね。
–たしかにそうした部分を前面に押し出しているスクールは多いですよね。
山碕副社長:これに対して私たちは、まず、お客さまの課題を特定し、そこに応用言語学や第二言語習得といった理論の力を応用することで、その方に合った学習カリキュラムを作り上げるということを重視しています。そしてその上で、毎日2〜3時間の学習時間を設けていただき、圧倒的な学習量で英語力を伸ばしていきます。
–毎日2〜3時間はハードですね。そんなの無理って思ってしまう人も少なくなさそうです。
山碕副社長:はい。それを乗り越えるための環境作りがまさにプログリットの強みと言えるところです。具体的にはチャットなどで専属コンサルタントが付きっきりでお客さまをサポート。週に1度の面談で一緒に翌週の学習計画を考え、それをアプリでトラッキングして学習状況を見える化するなど、さまざまな取り組みでお客さまがしっかりと学習時間を確保、維持できるようにしています。
また、近年はこれまでの取り組みで培ってきたデータを用いたアドバイスなども行えるようになっており、理論×データというかたちでより精度高く学習を支援しています。これは私たちの大きな強みの1つです。
–プログリットのコンサルタントががんばりを支えてくれるというのは心強いですね。とは言え、英会話学習の業界は群雄割拠。そこで新規参入業者が成功を掴むのは簡単なことではありませんよね。
2016年9月の創業からわずか約5年半で、どのようにしてここまで事業を成長させたんですか?
山碕副社長:まず、運の良かった点として、当時、フィットネスなどで世の中的に「コーチング」が大流行しており、英会話学習の世界でも私たちのようなコーチング型のサービスに注目が集まったということが挙げられます。また、創業当初は私と代表取締役社長の岡田祥吾と共に、やれることはとにかく何でもやりました。
大学の寮でポスティングしたり、TOEICテスト会場や商社などの前で2人でビラ配りしたりとか(笑)。ホームページの改善なんかも自分たちで毎日のようにやっていましたね。
そして3期目(2018年)には本田圭佑さんをアンバサダーに起用し、認知を大きく高めています。この時期には従業員数は120名以上になっており、売上実績も17億円を突破。その後も順調に成長しており、創業5年で累計受講者数は約40倍の1万2,000名となっています
–ここまでのお話で、理論に裏付けされた完成度の高いサービスが、時代の要請もあって大きく成長していったという印象を受けたのですが、そこに判断ミスや失敗などはなかったのですか?
山碕副社長:実は2期目にシャレにならない失敗をしています。1期目を無事黒字で乗り越え、2期目に向かってさらに売上を伸ばしていこうとする中、前年の利益をつぎ込んで人気のビジネスニュース番組の直後にテレビCMを打ったのですが、これが完全に無風に終わってしまったんです。
–そんなことあるんですか?
山碕副社長:私たちも、これでたくさんの問い合わせが来るぞ、売上が上がるぞっていうつもりで従業員を増やしたり、拠点を増やしたりしていたものですから、ちょっと信じられませんでした。唖然としてしまいましたね。–ちなみに、そのテレビCMが無風だったのはなぜだったのでしょうか?
山碕副社長:後日、そういった方面に明るい株主の方に相談したところ、いくつかの間違いを指摘されました。1つはやるのであればもっと大きな金額をつぎ込んで徹底的にやるべきだったということ。プログリットのサービスは3か月で50〜60万かかる高価なものなので、マス向けに小規模にやっても、その中に支払える人がほとんどいないんですよ。また、CMのクリエイティブにもっとこだわるべきだともアドバイスされました。
–なるほど。この失敗を糧に、PR戦略をどのように変えていったのかも聞かせてください。
山碕副社長:まずはWeb広告の運用を強化しました。もちろん、当時も充分やっていたのですが、認知系の広告ではなく、獲得のための広告に力を入れていった感じですね。集客チャネルも拡げ、それまであまり力を入れていなかったSNSなどへの出向も増やしています。
そしてその後、3期目に本田圭佑さんにプログリットの理念に共感していただき、アンバサダーになっていただくという流れです。
–マイノリティとは、2021年9月からお付き合いいただいていますが、初回の面談が8月下旬で、その場で即契約が決まったと聞いています。どういった点を気に入っていただけたのでしょうか?
山碕副社長:その面談は1時間くらいだったのですが、その短時間で私たちの課題感をすぐに理解され、これから何をすべきか的確なアドバイスをいただけたからですね。これならおまかせして大丈夫だろうと即決しました。
–その後、具体的にどんな支援をさせていただいたのかを聞かせてください。
山碕副社長:まずはSalesforceをより効果的に活用するための仕様設計・実装をお願いしています。具体的にはたとえばキャンペーンをきちんと使っていくということ、そのROIを長期で見るというところを教わりました。
使いこなしている企業の方から見れば当たり前なのかも知れませんが、BtoBマーケティングの専任担当者がいなく社内に知見もなかったので、そういうことが当時はできていなかったんです。また、それによってリードに関する考え方が大きく変わりましたね。当時の私たちは、Webなどを通じたリードが月に数十件程度という前提で事業計画を立てていたのですが、マイノリティからは合計2万件を超えるリードがなければ、新規リードの獲得とハウスリストからの案件発掘の両輪が回らないと言われ、大きく考えを改めました。
そしてそれだけのリードを獲得する手法としてエキスポへの参加を勧められ、2021年11月、プログリットとして初となる[関西]HR EXPOに出展しています。もちろん、この際もコンパニオンからノベルティに至るまで、全部教えていただきました。
–それでリードは伸びましたか?
山碕副社長:ビックリするくらい伸びました! [関西]HR EXPOへの参加に加え、コンテンツ作成もやっていただき、結果として、月あたりのリード獲得数が5倍以上になっています。
また、それと並行して弊社のセールスチームの研修もお願いしています。今後、エンタープライズ企業に営業していくにあたり必要なことなどをたくさんお話しいただきましたね。現在は、そこでお話しいただいた外報(※)という仕組みに取り組んでおり、すでに効果も実感し始めています。外報に対してマイノリティからもらったフィードバックから大きな気付きを得たというメンバーもいるんですよ。
※外報=外出報告の略称でキーエンスの営業組織で実践している営業トレーニング手法
–今後もマイノリティは貴社のお役に立てそうですか?
山碕副社長:もちろんです。マイノリティ、特に柳澤さんのスピード感にはいつも驚かされています。何かをお願いするとすぐに返事が返ってくるので本当にありがたいですね。今後はマーケティング活動はもちろん、受注にいたるまでの後工程の部分も含めてパートナーシップを築いていきたいと考えています。
–最後にプログリットの今後の事業の方向性についても聞かせてください。
山碕副社長:プログリットのミッション「世界で自由に活躍できる人を増やす」を1日でも早く実現速く実現していくことが、今、私たちが目指すべきことだと考えています。そのために、現在のお客さまであるビジネスマンの方々のポテンシャルをさらに引き出していくことに加え、より若い、子ども向けの英語学習サービスへの進出を検討中です。
–ターゲット層を拡大していくということですね。
山碕副社長:その通りです。なお、私たちのミッションは、英語が喋れる“だけ”では実現できません。そこでもう1つ、言語以外の、マインドセットやビジネススキルといった面を支援する、自己啓発・自己研鑽といった領域にもチャレンジしたいと考えています。
プログリット様が提供されている英語コーチングサービスは、私が勤めていたスマートニュースやメルカリでも利用者の多いとても評判の高いサービスでした。
最初にお手伝いしたことは、マーケティング施策のROIを可視化するためのSalesforceの仕様設計と実装です。急成長に向けてマーケティングに投資をする予定があったので、最初にインフラを構築する必要がありました。BtoBビジネスの場合は商談期間が長かったり、成約までのプロセスが複雑なため長い時間軸でもROIを測れる仕組みが必要だからです。
その上でマーケティングの実行支援に移行しました。施策の一つとして展示会への出展を企画。適切な小間位置、ノベルティ利用、選抜されたコンパニオンのアサインなど、特定の条件を満たすことで来場者の10%の名刺獲得が出来ることが判ったので出展への意思決定をして頂きました。
私もこれまでスキル習得のために多くの手法を試しましたが、最も身についたのはコーチングによるものでした。同社の成長はグローバルで活躍できる日本人を増やします。これからも陰ながら事業成長のお手伝いしていければと思います。