――本日はマイノリティがサポートさせていただいている株式会社Algoageの原さんにお越しいただきました。よろしくお願い致します!
原さん:株式会社Algoageで営業責任者をしている原です。こちらこそよろしくお願いします。
――さっそくですが、株式会社Algoageについてご説明いただけますか?
原さん:「DMMチャットブーストCV」というLINEを使って新規顧客を獲得するチャットボット、カンバセーショナルコマースのサービスを提供している会社です。
2018年2月に設立されて、当初はAIモジュールの受託開発をメインで行っていたんですが、2年前くらいに大きくピボットして今の事業になりました。
――AIからカンバセーショナルコマースへ。その経緯はどのようなものだったんでしょう?
原さん:「DMMチャットブーストCV」という名前からもわかるかと思いますが、DMMとの出会いが大きかったですね。
もともとのAIモジュール事業も順調だったんですが、受託開発ということもあって、そこまで大きなスケールは見込めないと。
そんな状況で弊社代表の大野らがDMMの亀山会長に相談したところ、カンバセーショナルコマース領域がいいんじゃないかとアドバイスを貰って。
――亀山さん直下の「亀チョク」から生まれたサービスだとお聞きしてます。
原さん:そうなんです。おかげさまでリリース1年で多くの企業さまに導入いただいています。
それに合わせて会社自体も大きくなっていて、以前は10名くらいだったんですが、全体で100名程の規模になりました。
――すごいスピードですね!その伸びの要因はどこにあるんでしょうか。
原さん:もちろん単純に市場として伸びているから、という事は言えると思います。カンバセーショナルコマースに対するニーズがそもそも高まっていると。
――でも、どんな会社でも成功できるとは思いません。Algoageならではの強みがあるのでは?
原さん:そうですね。客観的に見ても、所属メンバーたちの基本的な能力が高いなというのは感じますね。経営陣の3名、そして社員のうち約10名が東大出身で、その他も高学歴の方が多く集まっています。
そもそもの知識量も多く、仮に専門外の課題に当たったとしても、様々な情報を自ら得ながらロジカルに解決していける。この基本能力の高さが弊社の強みかなと。
――あらためて「DMMチャットブーストCV」についてお聞きしたいのですが、どんなサービスなんでしょう。
原さん:LP訪問した方が離脱する際にポップアップバナーを表示させ、LINEに誘導した後、パーソナライズ化された配信プログラムによってCVへと導くサービスです。
WebサイトにしろLPにしろ、見に来てくれた人の全てが商品を買ってくれるわけじゃないですよね?割合で見ると、実に95%が離脱していると言われています。
――95%!見た人のほとんどが離脱してしまっていると。
原さん:そうなんです。でも今までは、どうして離脱してしまったのかを知る方法がほとんどありませんでした。
95%の中には「後ひと押し」で買ってくれる人、いわゆるCV直前のホットユーザーがいたかもしれないのに、対策ができず放置状態だったわけです。
――なるほど。機会損失をしまくっていたと。
原さん:そうなんです。そこでサイトやLPを離脱しようとするタイミングでバナーを出し、LINEなどのチャットアプリに誘導するというカンバセーショナルコマースの手法が考え出されました。
チャットアプリ上でやり取りをしながら、ユーザーさんの悩みを解決していくというやり方です。
――つまりLINE上で、「なぜ買わなかったのか」「何が解決されたら買うのか」を紐解いていく。
原さん:仰る通りです。そしてチャットのやり取りの中で阻害要因を取り除き、あらためて購入や登録をしてもらう、というのが基本的な仕組みですね。
――なるほど。ちなみに離脱ユーザーを回帰させる手段としてはリターゲティング広告がポピュラーだったように思うのですが、それとはどういった違いがあるのでしょう。
原さん:一度訪問したユーザーに対してバナーなどを再表示して見せる、というのがリタゲ広告ですが、これは昨今の規制によって運用が難しくなっています。
3rd-party cookie規制というのですが、要するに「ユーザーが過去にどんなサイトを見たか」のデータが入手しづらくなっているんです。
――確かに!iPhoneでもアプリを入れると「トラッキング要求を許可しますか」と聞かれるようになりましたもんね。
原さん:そうなんです。ですからリタゲ広告は、中長期的に見ると機能不全に陥る可能性が高い。つまりそこの代替となる何らかの手法が求められていて……
――そこにカンバセーショナルコマースがバッチリハマったと。
原さん:まさにそういうことです。しかも、CV率は大幅に改善する可能性があります。
――それはなぜですか?
原さん:リタゲ広告は、過去の訪問者に同じようなバナーを何度も見せることで回帰を促すシステムです。でも実際、「CVに至らなかった理由」は一つじゃないわけですよ。
――確かに。費用が気になったのかもしれないし、単に忙しかっただけかもしれない。
原さん:ええ。その点、LINEで繋がれば一人ひとりに合わせたチャット対応ができます。答える方も、電話やメールで聞かれるより気軽に対応できる。
――LINEなら普段から使っているUIだし、安心感がありますもんね。
原さん:そうそう。さらに言うと、一度LINEで繋がっておけば、継続的にお知らせやご案内を送ることも簡単です。リタゲ的なアプローチも問題なくできる。
つまり、リタゲ広告の代用品というより、より高性能で高確度なアプローチが開発されたって感じなんですよ。
――なるほど〜。でもそんなにいいものなら、他の会社もこぞって開発を始めちゃうんじゃないですか?
原さん:ある程度は増えていくと思いますが、そこについても勝算はあります。というのも、現状このタイプのサービスには3つのタイプがありまして。
――3つのタイプ?
原さん:ええ。1つ目は、LPなどにバナーを出して、別のページにリンクを貼るだけのもの。2つ目はバナーからLINEなどに誘導はするんだけど、そこで運用するシナリオはクライアントさん側で作ってね、というタイプ。
そして3つ目、私たちの「DMMチャットブーストCV」もここになりますが、誘導後のシナリオ設計も含めて、ユーザーとのコミュニケーションはすべてこちらでサポートしますよ、というタイプ。
――なるほど、それぞれクライアント側にかかる負担度が違いそうです。
原さん:ええ。実際、シナリオ設計は自分たちでやるとかなり大変なんですよ。それをまるっと任せられるサービスだというのが勝算の1つ目。
そしてもう1つは、完全出来高制だということです。
――あ、そうでしたね!そこまで全部やってくれるのに、成果が出なければお金も発生しないと。
原さん:そういうことです。だからクライアントさんも比較的気軽に導入できます。一方私たちからすれば、成果が出なければ1円ももらえないわけですから、必死に良いシナリオを組もうとします(笑)。
結果、クオリティの高いカンバセーショナルコマース設計が実現でき、実際、すべての導入企業さんで5〜10%程度はCVが上がっていますね。
――なるほど!まさにWin-Winの状況ですね。ちなみに導入企業はどんな業界が多いんですか?
原さん:最も多いのは脱毛サロンや美容クリニック系ですね。店舗やオンラインで治療&診療に興味ある方からの問い合わせや来店予約を増やしたい、というような。あとは不動産や金融、人材系のサービスなどもあります。
――へえ、かなり幅広いんですね。でも確かに、どんな業界・業種でも活用できそうなサービスですもんね。
原さん:そうですね。ネットで何かを販売する、登録者を募る、というような案件にはすごくマッチすると思います。一方で向かない商材もあって。例えば食品とか。
――それはどうしてですか?
原さん:食品って、購入までの意思決定が早いでしょう?ビール買うのに何日もじっくり悩むということはあまりないわけです。だから食品系とは相性がよくない。食品というか、単価安めの商材全般とも言えますけどね。
――なるほどなるほど。逆に言えば、それ以外ならだいたいの商材には対応できると。
原さん:そういうことです。その都度最適な設計をしますから、対応範囲はかなり広いと思いますね。
――ここからはマイノリティとの関係についてお聞きしたいのですが、そもそもお声がけくださった経緯はどのようなものでしたか?
原さん:もともとのきっかけは知人からのご紹介です。
代表の大野がスタートアップを経営されている知人に「グロース施策についてどうやってるの?」と相談したところ、マイノリティさんを紹介してくださって。
――最初は大野さんとセッションしていましたが、途中から原さんにバトンタッチしたんですよね。
原さん:そうでしたね。2022年の終わり頃から、マイノリティさんと定期的にお話させてもらっています。
――どんな内容について話をするんですか?
原さん:カッチリ決めているわけではないですが、かなり幅広い内容について相談に乗ってもらっていますね。
というのも前提として、いまの弊社の状況が、マイノリティのメンバーの方々がメルカリなどで経験されてきた状況とけっこう似ているというのがあって。
――どういう点が似ているんでしょう。
原さん:弊社はDMM出資ということもあって、規模の割に比較的キャッシュリッチというか。だからこそ、通常のスタートアップが10年でやることを3年でやらなきゃいけない、というような状況にある。
――なるほど。つまり3倍以上のスピードが求められると。
原さん:そうなんです。重点目標が一ヶ月と言わず数週間という短いスパンでどんどん変わっていく。そういう目まぐるしい状況の中で、経験値のあるスペシャリストが後ろでドシッと構えてくれているのが心強くて。
「こういう場合はどうすればいいですかね」と聞けば、経験に基づいた具体的なアドバイスを返してくれますし、自分が気づいていなかったような事も指摘してくれる。
――外部からの視点が得られると言うか。
原さん:ええ。自分の思考だけでやっているとやっぱり固定してきますから。知見のある外部の方からの意見というのは非常に重要ですよね。
それに、マイノリティさんはアドバイスだけでなく、手を動かしてくれることも多くて。
――そうなんですね。例えばどんな?
原さん:マーケティングのコンテンツ、例えばリードを取るためのホワイトペーパーを作ってもらったりとか。
以前、セールス拡大のために20個くらいの打ち手を同時に走らせていたことがあるんですが、その設計にも関わってもらいましたね。
――なるほど。実務のサポートにもなっていると。ちなみに現在はどのような形で役に立っていますか?
原さん:そうですね。これから中小規模の代理店営業に力を入れていこうと考えていて、その営業戦略などについて相談に乗ってもらっています。
来年度は売上目標もグッと上がるので(笑)、引き続きマイノリティさんに手伝ってもらえればと。よろしくお願いします。
――こちらこそよろしくお願いします!本日はお忙しいところありがとうございました。