――本日はマイノリティがサポートさせていただいている、ティー・アイ・トレーディング株式会社の立花社長にお話を聞かせていただきます。よろしくお願いします!
立花さん:はい、よろしくお願いします。
――まずは会社について、あらためてご説明いただけますでしょうか。
立花さん:ティー・アイ・トレーディングは輸入商社です。いろいろな国から商品を輸入し、課題感に合わせてコーディネートした上で、日本各地の企業様や自治体に販売しています。私たちはこれを「磨く」と表現しています。
――世界各国とお取引されているんですよね。具体的にはどこになりますか?
立花さん:そうですね。現状で言えば、アメリカ、カナダ、ドイツ、フランス……それから中国や中東のUAEなどです。
――すごいですね!ちなみに取扱商品でいうとどのようなものになるんでしょう。
立花さん:品数が多いのでなかなか一言では表現できないのですが、主に建設業、製造業向けの商品です。
具体的には、防犯・監視カメラのシステムとか、アスベスト工事用品、それから墜落防止商品、黒煙浄化装置とか。
……と言ってもおそらく一般の方にはあまりピンと来ないでしょうね(笑)。つまりは業務用の専門的な商品を多く取り扱っているということです。
――ちなみに看板商品というか、「ティー・アイ・トレーディングといえばこれ!」というものはありますか?
立花さん:1つは先ほども挙げた墜落防止の商品ですね。
実は「安全大国」と言われる日本でも、工事現場における墜落災害というのは毎日起こっています。職人さんが足場などから誤って墜落し、怪我をしたり亡くなったり、という事故です。
墜落防止の各商品はこれを防ぐためのもので、ランヤードと呼ばれる安全帯、いわゆる”命綱”などを販売しているんです。「墜落災害をゼロに」というのが私たちのコンセプトの1つでもありまして。
――なるほど。職人さんたちの命を守る大切な道具なのですね。他にもありますか?
立花さん:あとは今回のコロナ禍でも空気清浄機などが注目されましたが、ウイルスではなく鉛などの粉塵を防ぐための工事現場用清浄機もよく出ます。
あとは、オリジナルの工法にも力を入れていますね。
――工法、ですか。
立花さん:ええ。鋼鉄製の橋の工事に使われる工法なんですが、ウチが扱っている商品を複数組み合わせることで、施工者さんの健康に配慮しつつ、かつ低コストな工事が実現できるんです。
それをパッケージ化して、公共工事を行う自治体や建設会社さんにご提案しています。「ロトピーン工法」というんですけど。
――なるほど。公共工事の現場で活かされている工法なんですね。ちなみにティー・アイ・トレーディングは1992年設立の会社ですが、当初からこういった事業をやられていたんでしょうか。
立花さん:そうですね。私の父が創業社長なのですが、三菱重工出身なので当初は重工業関係の商品、主に電気関連商品から取り扱いを始めたようです。
一方父は登山やクライミングが好きで、自身が墜落防止用商品のユーザーだったんですね。そういう中で、父のようなスポーツ用途ではなく、工業用の墜落防止製品があることを知って興味を持ち、輸入販売を始めるようになったのだと聞いています。
――そういう経緯だったのですね。ちなみに立花さんご自身は、ティー・アイ・トレーディングにいつ入社されたのですか?
立花さん:2011年です。大学院のオーストラリア留学から帰ってきた頃で。当初は普通に就職活動をしていたんですが、父の体調が悪くなったこともあって、「会社を継ぐ気はあるか?」と言われまして。
――そう言われたときはどのようなお気持ちでした?
立花さん:自分が継ぐなんてまったく思っていませんでしたから、驚きました。父は仕事の話を家庭に持ち込まない人で、私も父がどんな会社をしているのかあまり分かっていませんでしたし(笑)。
ただ、父の体調が悪いことと、その父が自分に期待してくれているということで、それなら精一杯やってみようと思ったんです。それで新卒社員としてティー・アイ・トレーディングに入社しました。
――そこから10年足らずで社長になられたわけですか。
立花さん:そうです。私が社長に就任したのが2019年ですから、入社8〜9年目あたりです。
とはいえ、完全未経験からのスタートでしたから、最初はわけがわからなかったですよ。時代的にも、手取り足取り教えてくれるって感じでもなかったですし(笑)。
――叩き上げで学ばれてきたんですね。ちなみに素朴な疑問なのですが、御社が海外から仕入れている商品は、国内では手に入らないんでしょうか。
立花さん:いえ、類似商品は国内でも手に入ると思いますよ。
ただ前提として、安全対策の基準・ルールの整備というのは、実は日本より海外の方が進んでいるという現実があるんですね。意外と日本は規格が緩かったり、あるいはまだ存在してなかったりするんです。
一方欧米では、明確なルールが設定され、その基準に合格した商品しか販売できません。結果、強度や使い勝手などの面で、海外製品のほうが優れているケースが多くなるんですね。
――つまり、厳しい規格をクリアした商品を提供していると。
立花さん:そういうことです。先ほども少しお伝えしましたが、日本の工事現場では毎日のように墜落事故が起こっている。もちろん海外でも起こるわけですが、実は重症率は日本の方がずっと高いんですよ。
――事故の結果、重症化する確率が海外より高いと。それはなぜなんでしょう。
立花さん:考え方の違いなんだと思います。海外はとにかく「どれだけ気をつけようと人間は足を踏み外す」という前提で規格を作る。
一方日本は「とにかく気をつけましょうね!」という精神論が強いんです。厳しい言い方をすれば、具体的な対策を欧米ほどは打ってこなかった。
でも現実として、やっぱり気持ちだけでは事故は防げませんよね。
だから私たちがより安全性の高い商品を提供することで、全国の現場の方に少しでも安心して仕事してもらいたいと思っているんです。
――なるほど。素晴らしいビジョンですね。
立花さん:ありがとうございます。事故が起これば、本人が怪我をしたり亡くなったりしてしまうだけでなく、それによってご家族やご友人も悲しむことになる。
ですから私たちの扱っている商品をもっともっと知ってもらい、より多くの現場の方に使っていただきたいと思っています。
――ではここからはマイノリティとの関わりについてお聞きしていきたいと思います。そもそもお声がけをいただいたのはなぜだったんでしょう。
立花さん:私が弊社に入社して以降、特に社長に就任してからは、やはりマーケティングの部分に課題を感じていました。ニッチな商品だとはいえ、もっと多くのお客様に知ってもらうための仕組みづくりをしないとなと。
――例えばそれはWebサイトなどでしょうか。
立花さん:まずはそこですよね。当時のウチのWebサイトはまだまだ「手作り」という感じでしたから、ネットでのお問い合わせ窓口としてきちんと整備するところから始めました。
でも、それだけで十分なリードが取れるわけではないですから、マイノリティさんにお声がけしてご支援いただいた形ですね。
――具体的にはどのような支援内容だったのでしょう。
立花さん:最初はマーケティング施策の企画と実行を進めていただきました。「商品をそのまま掲載するより、こんな訴求にするとリードが取りやすい」というような具体的なアドバイスもいただいて。
その掲載を試したら1ヶ月で400件以上の問い合わせがあって、これはすごいなと感心した覚えがあります。あとはやっぱり展示会ですかね。
――展示会というと?
立花さん:私たちの業界には展示会というのがあって、複数の会社が自社製品やサービスを展示するんですね。業界の方が多く来場されて、そこで商品説明をしたり商談をしたりするものです。
もちろんうちも昔から出展はしていたんですが、なかなか満足のいく成果は得られていなくて。
というのも、私の父は「全部自分でやりたい!」という人なんですね(笑)。だからブースも手作りだし呼び込みも自分たちで行っていた。言い方は悪いですがフリーマーケットをやっているような感じだったんです(笑)。
――そうだったんですか(笑)。
立花さん:でもそういうクオリティではやっぱり売れない。ですからマイノリティさんのアドバイスのもと、根本から見直しました。
パネルもデザイナーさんに頼んで大きな物を作り、リード獲得専門のコンパニオンさんも頼んで、社名の入ったボールペンなど配布用のノベルティも作りました。要は見せ方をガラッと変えたんです。
おかげでリードの数は劇的に良くなりました。直近の展示会だと、3日間で4,000件のリード獲得ができました。
――4,000件!すごいですね。
立花さん:リードに対してのアプローチもお願いしましたし、CRMツールの活用方法などについてもいろいろノウハウを教えていただきました。
私たちもだんだんやり方に慣れてきていて、例えば展示会に関しては既に自社ですべて対応できるまでになりました。マイノリティさんのおかげです。
――ありがとうございます。きちんと自社のノウハウにできるのは素晴らしいことだと思います。
立花さん:おかげさまです。考えてみれば、マイノリティさんに頼む前と後では、10倍以上のリードが取れるようになっています。教わったことを活かして、今後もさらに成果を出していこうとしています。
――今後のご活躍に期待しております!本日はありがとうございました。
立花さん:こちらこそありがとうございました。